~「未来の額田を考える」学習を通して~

 

夏山小学校では、これまでに地域の伝統行事火祭りや学校のすぐ近くを流れる夏山川を調べ、学区に発信し、関心高く活動に取り組んできた。しかし、額田地区のことは知らない児童が多く、岡崎市のHPが額田地区の観光でアピールしているくらがり渓谷やわんパークなどについての知識はほとんどなかった。額田地区についてもっと身近に感じ、地域が抱えている問題や将来について、自分なりに考え、地域への愛着心をさらに高めていきたいと考えて単元を設定した。

「未来の額田について考える」というテーマのもと、探究活動を始めたところ、額田地区が岡崎市と合併する前(2002年)に発行した、ふるさと読本『ぬかた』という本と出会った。「額田町はこれからどのように変わっていくのだろうか」と約20年後の2020年の未来に思いを馳せている内容の作文を読み、自分たちも未来の額田について考えたいという思いをもった。

「今の額田の魅力は何か?」という課題で議論を行った。最初はなかなか意見が出てこなかったので、岡崎市のHP「水とみどりの森の駅」を見せて、額田地区の魅力を岡崎市が積極的に発信していることを紹介した。そこから追究意欲が高まり、額田には自然だけでなく、建物や伝統、食事といった魅力があることに気付くことができた。そこで、「20年後の額田はどうなっているか」という問いを投げかけた。児童は「自然の魅力があるから額田にもっと人が増える」、「自動運転の技術が発展しているので、お年寄りでも暮らせる町になる」といったプラス面と「人手不足で伝統的な祭りは無くなるかもしれない」、「人が増えるとごみのポイ捨てが起きて自然が減る」といったマイナス面の両面から考えることができた。共通するのは、「20年後の額田に人が増えてほしい」という願いである。そのために自分たちにできることを考え、取り組んでいくことになった。

 「未来の額田をより良くために自分たちにできること」について、話し合う中で、「額田の魅力を知れば、若い人が額田にずっと残ってくれる」「人が増えれば、人手不足がなくなり、額田がより良くなる」と考えた。全校児童や学区の人に額田の良さを発信する手段として、額田地区の魅力ある場所をまとめたリーフレットを配ることに決まった。リーフレットに夏山小から車でどのくらいなのかを書いたり、写真を入れたりすれば、そこに足が向くかもしれない。行って魅力に気付いて欲しいという願いを込めた。額田の魅力あふれるオリジナル額田紹介リーフレットを作り上げた。

「自分たちが額田についてあまり知らないことに驚いた。面白いところがまだまだたくさんあることを知り、今度行ってみたいと思った」、「額田には良いところがあって、大きくなった時も額田に住み続けようと思った」と振り返り、額田地区への愛着を高めることができたのではないかと考える。

 

 

報告者:夏山小 安原 宏紀先生