広げよう やさしさの輪(岡崎小学校5年生の実践)
~高齢者とのふれ合いから「福祉」について考えよう~
岡崎小学校5年生の2学期のくすのき学習(総合的な学習の時間)のテーマは「広げよう やさしさの輪」です。高齢者とふれ合ったり、高齢者の疑似体験をしたりする中で、「共に生きる」ことについて考えていくことをねらいとし、この学習に取り組んでいます。
2学期の初めに行われた学区敬老会にたくさんの方が出席され、合唱部が歌を披露しました。その機会をとらえ、齢をとるというのはどういうことだろう、体や気持ちにどんな変化があるのだろうかと学級ごとに話し合いの時間をもちました。夏休みに祖父母の家に行った子も多く、子ども達からは「目や耳の働きが弱くなる」「耳が聞こえにくくなる」「腰が痛くなる」「疲れやすくなる」「歯の数が減って硬いものが食べにくくなる」などの身体的なことに加え、そのために「不安になる」「家にこもりがちになることもある」などの意見が出ました。そこで、学校の近くにある老人ホームでは、高齢の方たちがどのような生活をしていらっしゃるのか、見学をさせていただくことにしました。
老人ホームでは、デイサービスのレクリエーションの様子を見せていただいたり、入居されている方たちと一緒に歌を歌ったり話をしたりしました。この施設を初めて訪れる子も多く、子ども達は高い関心をもって見学をし、次のような感想をもちました。
- スタッフの人達が、とても元気よく声をかけていて、おばあちゃん達も元気になれそうだった。
- ぼく達と同じような遊び(ペットボトルボウリング)をしていた。齢をとると、ボールをまっすぐに転がすのも難しいんだなと思った。
- 看護師さんが、いろいろな人とふれ合えて楽しいと言っていた。大変だと思ったけれど、楽しいと聞いて驚いた。
- おばあちゃんが「また来てね」と握手をしてくれた。手がやわらかかった。今まで、街にお年寄りがいると近寄らないようにしていたけれど、困っていたら手伝ってあげたいと思った。
今後は、装具を着用して、手足や目などの働きが弱ってくる高齢者の疑似体験をする活動(高齢者疑似体験)を行ったり、「認知症サポーター講座」を受講したりしていきながら、高齢者についての理解を深めていきます。そして、もう一度老人ホームを訪問し、子どもたち手作りの交流活動を行うことを計画しています。高齢者をはじめ、周囲の人々みんなが安心して幸せに生活でできるようにするために、自分たちにどんなことができるのか、どうすることが必要なのか、みんなで考えていきたいと思います。