「おいしい やさいに そだつをいいな」(上地小2年生の実践)
~野菜の栽培を通して~
子供たちは1年生の頃にアサガオやチューリップを育てる活動を通し、植物を育てる経験をしてきた。チューリップは比較的栽培が簡単であり、冬の間の世話がそれほど必要ではないため、植物の世話に対する意識が低下してしまった。そこで、2年生では、収穫まで世話の必要な野菜を取り上げた。普段はスーパーで売られている野菜を自分で育てて食べるということは貴重な体験である。また、収穫するまでに水やりやわき芽取りなどの世話をしたり、自分の野菜を観察したりすることで、世話の大切さや成長の様子が実感できる。野菜の栽培を通して、自分自身の成長を期待し、学習を進めた。
子供たちはミニトマトやピーマン、ナスの中から自分が育てたい野菜を選んだ。水やり、草取り、わき芽とりなど、普段の世話を「健康観察」と称し、行った。日々の観察を通し、葉の様子の変化から病気や害虫を見付ける子供や、教師に質問する前に教室に集めた植物関係の本から自分で答えを調べる子供が現れた。植物との触れ合いに比例して関心が高まっていった。
「健康観察」が日課となり、いよいよ実が成り始めた6月。すでに日常の世話はどの子も自分でできている。そこで、これから収穫に向けてどんな世話が必要であるかを考える場を設定した。授業では、これまで子供たちがしてきた数々の世話があげられた。友達の世話を聞きながら、今後、自分に必要な世話に気付いた子供たちは、「おせわ名人」を目指し、それぞれ考えた方法をカードにまとめた。
次々と収穫が期待される野菜を前に、「まだか、まだか。」と収穫を待ちわびる子供たち。収穫後は家に持ち帰って、保護者と一緒に調理して食べるという楽しみが待っている。それまで一生懸命世話をしてきた子供たちだからこそ、収穫への期待は高い。どの子供の野菜も立派な実をつけている。野菜を見れば子供たちがいかに「おせわ名人」になれたかがわかる。
今後は、観察カードをまとめて絵本を作ったり、お世話になった野菜作り名人の方々への感謝の手紙を書いたりしながら、自分達が学んできたことを知らせていきたい。また、立派な実が収穫できるまで栽培することができた子供たちを「おせわ名人」に任命し、その頑張りを大いに褒めていきたい。