変わりゆく学区を調べ、未来の学区について考える

 岡崎小学校の西側には田んぼが広がり、昔ながらののどかな風景が残されていた。近年、占部川の改修工事が進み、遊水地や雨水ポンプ場が建設され、浸水被害の心配がなくなることを受けて区画整理事業も始まった。アオサギやキジも見られた豊かな自然環境は工事とともに日々失われ、学区が大きく変貌をとげようとしている。このように学区が大きく変化している今、行われているプロジェクトについて学び、今後の地域のあるべき姿を考えることで、自分たちの住むふるさとにより深い愛着を持てる子供たちにしたいと考え、実践を行った。

 まず、洪水防止に関わる工事や区画整理事業について調べる中で、疑問に思ったことを追究課題とした。同じ課題の子供でグループを作り、グループ毎に追究学習を進めていった。ポンプ場や遊水地の役割、なぜ自然を壊してまで工事をする必要があるのかを調べる中で、人々が安全に暮らすためには必要な工事であることに気付くことができた。また、新しくできる町については、一定のルールを作り、人々が安心して、快適に暮らせる町にしようとしていることを知った。そこで、新しくできる町がどのような町になってほしいかを考える活動を行った。クラスでの話し合いを通して、「家族みんなで楽しめる町」「安全な町」「人が集まりにぎやかな町」「緑が多く環境に優しい町」にしたいという思いが高まった。それを具体化するために、実際に新しい町の計画図の上に理想とする町の模型を作る活動を行った。「安全な町にするためには、交番があると良い」「環境に優しい町にするために、家の屋根に太陽光発電があると良い」と理想の町にするために必要なものを具体的に考えながら町の模型を作っていった。また、家族みんなが楽しめる町にするには、どの世代の人たちも楽しめる公園が必要なのでないかという意見から、どんな公園を作ったらよいか考えることにした。自分たちだけの考えだけではなく、さまざまな年代の人たちの意見も取り入れるために1~5年生の児童、おじいちゃん・おばあちゃんを含めた家の方に、アンケートを取って、どんな公園にしたら良いのか考えた。

 今後、自分たちが考えた新しい町の姿、町の中にできてほしい公園の姿を区画整理組合の方や市役所の方たちに提案をする予定である。そして、子供たちが考えたことに対して率直な意見をもらうことによって、考えてきた町についてもう一度見直したり、これまでの活動を振り返ったりする機会としたい。