~身近な自然を守ろう!竜小ECOプロジェクト

 竜美丘小学校の隣には、通称「野鳥の森」・竜美ヶ丘公園があり、多くの野鳥がすんでいます。メジロやセグロセキレイなど、校内にもよく飛来し、その姿を見せてくれるので、子どもたちにとって野鳥は身近な存在です。毎年1学期には「愛鳥集会」を全校で開催し、野鳥に親しんでいます。本年度の4年生は、この野鳥をきっかけにして、身近な自然を守る学習、活動に取り組んでいます。今回、学びを深める活動として、「アイシン環境学習プログラム」を活用しています。

 第1回の出前授業では、野鳥が運んできた種によって、森が形成される自然界の仕組みについて学習しました。実際に鳥によって運ばれて成長した木々の葉を見せてもらい、ラミネートをかけて標本づくり(写真①)をしました。

(写真①)

 続いて、その標本を持って竜美ヶ丘公園に出かけ、公園内を散策しつつ、標本の木を探すフィールドワークを行いました。森にすむ野鳥たちが、その森そのものをつくっているということについて半信半疑だった子どもたちでしたが、実際に標本と同じ木を見つけることで、学んだ知識を実感と共に確かなものにすることができました。(写真②)

(写真②)

 第2回の出前授業では、自然に生きる動物たちの気持ちを疑似体験するゲームを行い、生物の生きている自然と、わたしたち人間がどのように関わっているかについて考えました。動物役になった子どもたちは、動物たちのすむ自然界に見立ててばらまいたカードを、トランプの神経衰弱の要領で、2枚めくってそろったら取っていきます。(写真③)

(写真③)

 動物たちはその種類によって摂取できる食料が決められているので、なかなか食事にありつくことができません。さらにそこへ、人間役になった子どもたちが来て、「ブラックカード」をばらまいていきます。自然の中に混ざったブラックカードを誤ってひくと、動物たちは死んでしまうのです。ゲームが終わった後、子どもたちはゲームをしていたときの動物の気持ちについて話し合いました。さらに、人間がばらまいた「ブラックカード」は何か、と問いかけ、話し合い、考える(写真④)ことで、人間による自然界の汚染、環境破壊、そうしたものが人間の身勝手な行動によってもたらされているのではないかという気づきを得ることができました。

(写真④)

 第3回の出前授業では、前回の活動をふまえて、わたしたち人間が自然界に対してできること、「エコアクション」について学習しました。人間が自然界に与えている大きな影響の一つである「地球温暖化」について知り、普段の生活の中の「エコアクション」で、どれくらいの二酸化炭素の排出を抑えられるか」を学習しました。こまめに照明を消すこと、レジ袋ではなくエコバッグを使うことなど、身近にできる「エコアクション」がたくさんあることを知り、自然のためにできることをしてみたい、という子どもたちの実践意欲を高めることができました。

 現時点で学習は継続中であり、今後は、自分たちで立てた計画に従ってエコアクションの実践を行い、グループごとにその成果をまとめ、伝え合う「エコトークセッション」を行う予定です。本年の実践を通して、未来に向かって自然を守るためにできることを考え、実践する意識が高まっていくとよいと思います。

報告者:竜美丘小学校 横山 智一先生