自然に親しみを持つ心をはぐくむ ~ふしぎ発見図鑑づくりを通して~

 5月の国語科の学習で「自然のかくし絵」の単元を扱った。その際、最後の数時間で自然のかくし絵図鑑をつくった。学級文庫や図書室の図鑑で昆虫が自然の中でどのように身を隠すのかを各自で調べた。全員が楽しそうに調べ、図鑑作りに没頭する姿が見られた。また、本や図鑑だけでなく、秦梨の自然をテーマに図鑑をつくりたいという声も上がった。ふしぎを探して調べる学習をした際には、ほとんどの児童が身近な自然をテーマに調べ学習を進めていた。

 

 そこで総合的な学習の時間では昆虫だけではなく植物なども交え、秦梨の豊かな自然を題材に「ふしぎ発見図鑑」づくりをし、秦梨の自然にはどのようなものがあるのかを調べていくことにした。その中で自然についてふしぎに思うことを見つけ、より自然に親しみを持てるようにしたいと考えた。

 

 ふしぎ発見図鑑は調査メモから書き始める。調査メモは名前、特徴(大きさ、色や形、その他気付いたこと)に分けて構成し、何を調査すればいいのかをわかるようにした。「その他気付いたこと」には発見したことはどのようなものでも書くことにした。調査メモが書けたら図鑑に文章にして書き、全員で誰が見ても読みやすく、わかりやすいものにするということを確認しながら図鑑づくりを進めた。初めのうちは図鑑づくりに慣れるために図書室の図鑑や本、インターネットを用いて制作をし、7月に入ってからは学校で見られる植物にもテーマを広げ、観察、図鑑づくりを行った。

 

 図鑑で調べたい昆虫をなかなか見つけられない児童もいたが、ほかの児童と協力をするなどして完成させることができた。完成させるともっと調べてみたいという意欲も見せていた。児童が書いた1学期の総合的な学習の感想の中に「図鑑で調べた昆虫を実際に自分の目で見たい」、「学校の裏にあるにこにこ山で自分が知らない虫を見てみたい」など、自然に興味を示すものがいくつかあった。

 

 1学期は学校の中の昆虫、植物までしか調べることができなかった。2学期からは「にこにこ山」に観察をしに行ったり、学区の自然の中で気になったものを観察したりし、秦梨の自然と触れ合うことのできる機会を多く設けられるようにし、自然に親しむ心を伸ばしていきたい。