「学校の生き物がすみやすい自然をつくろう」  

 「便利な社会になって嬉しいよね」。子どもたちに投げかけてみた。発展する社会に誰しも喜んだ。しかし、その一方で犠牲にしてしまったものがある。しかも、その中にはもはや取り返しのつかないものさえある。

 3年生になり「総合的な学習の時間」が始まった。初めての総合の時間には、具体的な例を挙げ、実際の環境問題や、失われていく自然や命があることを紹介し、問題解決に取り組んでいこうとする意欲を高めることをねらった。

 2回目の授業では、「自然にはどんな生き物がいるか知っているかな」という課題を投げかけ、身の回りの自然に目を向けさせた。子どもたちの意見を板書して、マインドマップを作り、つながりを視覚化した。また、命や自然は、動物や虫や植物など様々な種類があることを具体的に考えた。

「みんなの好きな自然の命を、もう二度と見ることができなくなったらどうする」、と問いかけて、みんなで今年度のテーマを決める話し合いを行った。どのテーマがいいか、その理由や、大切だと思うキーワードについての意見を出し合って、徐々にテーマをしぼっていった。その結果「学校の生き物がもっとすみやすい自然をつくろう」が学級のテーマになった。

 子どもたちは、生き物について調べるために、ビオトープや「大門っ子の森」、校庭や、花壇の隅々を観察し、記録した。そして、グループに分かれて生き物マップを作ることにした。グループで、リーダー、学校の地図、ビオトープマップ、生き物カード作りと、一人一人が役割をもって作業を始めた。現在は、まだマップ作りの途中で、どのグループも、いいマップをつくろうと図鑑を借りたり、定規で計って地図をかいたりしている。生き物を大切にする心、自然を守る心を育み、子どもたちがどんな環境づくりに挑戦していくのか楽しみである。