「再生可能エネルギー」の未来について考えよう(岩津中1年生の実践)
~未来を守ろう!再生可能エネルギー~
中学校に入学して間もなく、多くの生徒が、教室にエアコンが設置されていることに気付き、話題になった。また、年間行事予定を配付すると、これまでにはなかった秋休み「キッズデイズ」に注目する生徒もいた。これらに共通することを生徒たちに聞くと、昨年度の記録的な猛暑によって、身近に起きた混乱を次々に口にする様子が見られた。近年の異常気象の背景には、「地球温暖化」が関わっていると考える生徒も多くいた。
単元前に行ったアンケート調査では、各学級の半数以上の生徒が、環境問題について調べたり、話し合ったりしたことがあると答えた。また、全体の約7割の生徒が、小学校時代に、原子力発電の今後の展開について、討論をしたことがあると分かった。そこで、生徒たちは、人類の生存基盤さえも脅かしかねない、深刻な地球温暖化問題を考える際に、解決しなければならないエネルギー問題に注目することができると考えた。実際に、生徒たちに、地球温暖化の主な原因物質である、二酸化炭素の発生源についての資料を示すと、最大の発生源は、エネルギーの利用であることに気付くことができた。しかしながら、それらに関する知識は乏しく、話し合いに参加できる生徒は、ごく一部に限られた。「自分たちにはあまり関係ない」「まだ遠い未来の話である」と考える生徒も少なからず存在しており、未来を担う社会の一員としての自覚は、足りないように感じた。
そこで、第1時では、昨年度の出来事を想起させ、環境問題について知っていることを話し合い、課題について考えた。生徒たちは、温暖化を防ぐために、車を極力使わないようにしたり、節電をしたり、リサイクルをしたりするといった、身近な取り組みを挙げた。そこで、温暖化の原因物質の発生源に関する資料を提示したところ、エネルギー問題にも注目することができた。エネルギー問題にまで視野を広げ、考えることで、未来を担う社会の一員であるという自覚をもつことができた。
第2時では、日本の電力供給の問題点を探り、再生可能エネルギーについて考えた。発電方法だけではなく、それぞれのメリットとデメリットについても考えた。そして、興味をもった再生可能エネルギーについて調べ学習を行った。一人調べをした後、同じ発電方法に興味をもった友達とグループをつくり、情報交換をする場において、自分の考えを広げたり深めたりすることができた。これからさらに、生徒たちが新たな課題を見出し、持続可能な社会の担い手としての自覚をもって、考え、行動する意欲を高めていきたい。
報告者:岩津中学校 和多田 義晃先生