「矢作の米作りに学ぶ」

 矢作北小学校の5年生は、総合的な学習の一環として、学校近くの田んぼをお借りし、米作りを行ってきた。指導してくださるのは、矢作学区の農家の方々である。

 4月、長瀬郷土学習で農家の方のお宅を訪問し、種まきの様子、苗の育ち方、農機具についてのお話をお聞きした。たくさんの苗の数に子どもたちは、とても驚いていた。子どもたちが米作りを始める第一歩となった。

 田おこし、代かき後、6月、いよいよ田植えである。紐につけられた目印の位置に、後ろ向きに苗を植えていく。苗の持ち方や植え方などをご指導いただき、手作業で行った。初めて経験する子が多く、植えられた苗は、お世辞にもまっすぐとは言えない。また、足をとられて転んでしまった子もいた。しかし、これから育っていく苗を見る子どもたちの目は輝いており、座学では学ぶことができない、貴重な体験をすることができた。

 その後、水の管理、草取りを続け、田んぼには黄金色に輝く稲穂が頭を垂れ始めた。台風で倒れた稲があったものの、10月、遂に稲刈りの日を迎えた。この時も、学区の方々にご指導していただき、鎌を使って稲を刈った。子どもたちは刈った稲を束にして縛り、はざかけまで行った。鎌の扱い方に手間取った子も慣れてくるにつれて、手早く作業ができるようになった。そして、脱穀を行い、109kgの米を収穫することができた。

 11月には、感謝の会を開き、自分たちの作ったお米を使ってのもちつき大会が行われた。全校の子どもたちがおいしそうに餅を頬張り、喜ぶ姿を見た5年生はとても誇らしげであった。    

 この学習を通して、矢作という地域の米作り、農家の方々の苦労を学ぶことができ、お米の大切さも改めて知ることができた。