米作りを通して豊かな心を育む ~米作りプロジェクト~

 4月の家庭科の学習で、1年間の学習でどのような学習をするのか見通しを立てた。その時に、2学期に米を炊く授業があることに子どもが気付き、米に対して興味関心を多くの子が示していた。すると、クラスの中のある子が、田植えや脱穀をしたことがあるという経験談を語り始めた。それを聞いた周りの子たちも、自分たちで米を育ててみたいと言うようになった。

 そこで総合的な学習の時間で一人1つのバケツを用意し、「米作りプロジェクト」と称してバケツ稲作りの実践を行うことにした。その中で、自然について考えたり、米を育てる大変さから食の有難さなどについて感じたりできるようにしたいと考えた。

 活動のスタートは5月、種もみをプリンカップで発芽させるところから始まった。一人一つずつプリンカップを用意し、毎日こまめに水をかえ、発芽したことに子ども達は喜びを感じた。ある程度大きくなると苗をバケツに移し替えた。バケツの中の田んぼの土は、学区に田んぼがないため、知り合いの方にお願いして土を分けてもらっていた。そこからも、水を切らさないように毎日水の管理に気を付けたり、日々の成長を記録したりしながら育てた。

 7月には40~50㎝程まで大きく育ち、中干しを行って夏休み中には各家庭に持ち帰り、家で引き続き観察しながら世話をさせた。夏休みが明けると、子どもたちから「花がさいたよ!」と、開花が見られたことに喜びを感じていた。また、支柱を立てて、ネットを張り、スズメ対策をしている工夫も見られた。また、多くの子たちが夏休み中に穂が出始め、2学期に入って2~3週間が経つと、収穫できるまで育っていた。

 収穫には牛乳パックで脱穀し、すり鉢とすりこぎを用いて手作業で脱穀した。その後、玄米の状態になったものを家に持ち帰り、各家庭で食べた。

 子どもたちは、自ら米作りを経験し、農家の人の苦労や、米の有難さについて考えることができた。また、初めてする経験から、自然と触れ合い、自分で育てた米に愛着を持ち、おいしく頂くことができたことに喜びを感じることができた。