『夢や理想をもち、社会の一員としての生き方を考える』

 中学校の時期は、人間関係を広がり、社会の一員として自分の役割や責任の自覚が芽生えてくる。また、様々な葛藤や経験の中で、自分の生き方を模索し、夢や理想をもち始める時期でもある。そして、実際に進路選択の時期を迎え、自分の意思と責任で決定しなければならない。こうした点を踏まえて、2年生では、職場体験学習や調べ学習等を通して、自分の課題を探りながら、将来の夢や職業等、自分の生き方について、考えるとともに、社会の一員としての自覚を深める。

 

 「おかざき匠の会」の方(9名)を学校へ招いて話を聞いたり、岡崎市内の様々な事業所を訪れたりしながら、職人の方の仕事に対する思いやこだわり、仕事内容などを直接聞く機会を設け、働くとはどういうことなのかを考えせるきっかけを作った。

 

 身近な人へ仕事に関するインタビューをさせた。話を聞く対象として、両親や祖父母などが最も多かったが、身近な人から仕事内容やそのやりがい、なぜその仕事に就くことになったのか、仕事をしていて辛いと感じたこと、何のために働いているのかなど、直接話を聞くことができた。その結果、仕事について、様々なことを知ることができただけでなく、自分のため、家族のために働いていることを知り、感謝の気持ちを持つ生徒も多かった。

 

 日常生活に関わる商品から、それに関わる仕事を見つけようということで、「コンビニで売られているペットボトルのお茶」に関わっている仕事を考えさせた。5~6人の班を作り、大きな紙に系統図のような形で、関わりのある仕事をグループで相談しながら見つけさせた。より細かい分野にも視点を広げ、数多くの仕事を見つけ出すことで、楽しみながら取り組むことができた。

 

 世の中にはどんな仕事があるのかを知るために、職業カテゴリーから、関係する仕事をたくさん調べさせた。例えば、医療というカテゴリーから、医師、看護師、薬剤師、助産師、救急救命士、医療事務など。資料として、「13歳のハローワーク」やインターネットの「Career Garden」というサイトなどを利用した。また、興味のある職業について、その仕事に就くにはどのような資格が必要なのかなど、より詳しく調べることもした。

 

 3日間の職場体験を通して、「働くというのはどういうことなのか」という課題を与えた。楽しいこともあれば、つらいこともある。しかし、なぜその職業を選択し、仕事をされているのだろうか。実習をすることで、その答えが少しでも見つけられたらいいと思った。当初はお金のために働いていると答えていた生徒たちも、お金は必要だが、お金のためだけではない何かを見つけられたように思う。例えば、接客業へ実習に行った生徒たちは、言葉づかいを意識することができ、表情にも気を配ることができるようになった。また、営業前にお店の周りを掃除することで、来てくれるお客さんへの気遣いにもつながると気づくことができた。

 

 今後の進路選択として、自分の将来就きたい仕事についても考えるきっかけにもなり、その夢に向かって、今、何をすべきなのか考えることができた。