防災リーダーを育てる ~中学生が地域を助ける防災リーダーになる~

 2011年の東日本大震災から6年。南海トラフ地震に備えて命を守るための取り組みや備えについて中学生も学習をすべきと考えて1年次から防災教育について学んできた。中学生になり、自分だけのことだけでなく、自分の周りのことを考えて行動できることや、災害時には中学生が防災リーダーとして活躍できる生徒の育成を目標として、実践を行いたいと考えた。そして、この2年の間に、『防災=地震』というイメージだったものが、水害や弾道ミサイルなど、さまざまな災害に備えていくべきではないかと考え、学習を進めてきた。

 

 1年次には、校内の防災設備を探す活動、防災グッズの製作など自分の身の回りの災害対策を中心に学習した。消火器や防災無線を始め、学校には多くの防災設備が整っていることに生徒たちも驚いていた。また、防災グッズの作成では、身近なものから簡易コンロを作りお湯を沸かす体験などをすることができた。生徒たちも手作りの防災グッズには大変興味を示しており、簡易コンロ以外にもいざというときには作れるようにしておきたいと考え、しっかり学習することができていた。

 

 3年次には、地域と関わることを主体として、防災について学習している。本校は毎年、男川小学校との合同避難訓練を実施している。中学生が保育園児たちの誘導をしている姿は大変頼もしい姿であり、中学生の『自分たちがしっかりしなくては』という責任感やどんな言葉掛けをして一緒に避難をしたらいいか考える姿も見られた。また、9月には地域の防災訓練に参加した。放水訓練や初期消火訓練、炊き出しなど消防隊員や地域の方と協力し防災訓練を行うことで、交流をすることもできた。

 

 クロスロードという授業を行った。クロスロードとは、『分かれ道』という意味で、いざというときに自分がどのような選択をするのか、また、友人たちはどのような選択をしなぜそう思うのか自分の想いを伝えあう活動を行った。人によって、感じることや優先すること、価値観は違う。それらを学べるいい機会であったといえる。

 

 3年生の2学期まで、自分の身の回りのことから地域の方と関わることまで防災についてさまざまな活動をしてきた。中学生が防災リーダーとして活躍するためには、さまざまな場面での判断力や行動力が大切になってくる。それらをさらに伸ばしていけるように、残りわずかな学習を進めていきたい。