デンデンガッサリを受け継ごう

 山中小学校の5年生の総合では,学校内にある畑の一部にブルーシートを張って作られた水田を利用して,イネ作りに取り組んでいますが,今年も例年のようにイネ作りを行いました。学区には,多くの田んぼが見られる山中学区ですが,実際にイネを育てる経験をしたことのある児童は少なく,子どもたちは楽しそうにイネ作りに取り組んでいました。

田起こし,代掻き,田植え……,と米作りは進み,毎日の水遣りや草取りをしていくうちに子どもたちには,自分たちの手がけたイネが豊かに実らせたいという願いが強く表れるようになりました。そこで,豊作を願って行う行事には,どんなことがあるのかを調べました。その過程で,山中学区で行われている御田植神事「デンデンガッサリ」も,その種の行事であるという結論に達しました。

そこで,さっそくデンデンガッサリについて,調べました。デンデンガッサリは,五穀豊穣を願って,室町時代から続けられている伝統的な行事であること,『デンデンガッサリヤー』という前唄の一部がデンデンガッサリの名前の下になっていることが分かりました。そこで,それを木曜日の全校集会で発表し,デンデンガッサリを全校児童に広めました。

また,デンデンガッサリ保存会の方を学校へお招きし,デンデンガッサリの歌や所作(動き)を教えていただきました。3時間ほどの練習でしたが,子どもたちはその前唄と所作を完ぺきにマスターし,10月に山中八幡宮で行われた芸能祭で,その成果を発表しました。その後も,伝統を受け継いでこられた保存会の方をお招きして,伝統を受け継ぐことの意義や苦労を聞かせていただきました。今後もデンデンガッサリの学習を継続する中で,山中学区を見つめなおす機会を持ちたいと思っています。