からだレッスン

 本校独自の研究実践として、「からだレッスン」がある。

 本校では、心と体は一対であるものと捉えて心と体をあわせて「からだ」と表記している。教師が子供の「からだ」の状態を把握して、どんな手立てで「からだ」を変容させていくかを考え、子供とともに練り上げていく探究活動が「からだレッスン」である。この「からだレッスン」を年間通して継続していくことによって、子供たちに「生きる力」や「人間力」を育んでいきたいと考えている。

 この「からだレッスン」は、「ショートからだレッスン」と「ロングからだレッスン」の2つがある。「ショートからだレッスン」はロールプレイング的な活動を行い、立場を入れ替えることによって、相手の立場や物事のあるべき姿を考えさせるものである。題材としては、普段の生活の中で問題となった出来事や担任が子供たちの様子を見て考えさせたいことがらである。

 教科の授業では、「理解するからだ」と「表現するからだ」という2人の指標児童を選定し、実践している。「理解するからだ」というのは、自分の考えや思いを表現することはできるが、相手の立場や考え、思いを理解しようとしない子供のことである。「表現するからだ」というのは、自分の考えや思いをもっていても、表現することができない子供のことである。この指標児童の手だてを講じて、自分の考えや思いを表現し、相手の立場や考え、思いを理解する子供を育成していく。

 これらの取組みの集大成が「ロングからだレッスン」である。「ロングからだレッスン」は2学期に集中的に時間を確保して行っており、先日、披露会(他の学校では学芸会に該当する)が行われた。6年生のある学級では、子供たちが追究をした「戦争」のことをもとに、平和な社会や世界の在り方についての思いを「からだ」を使って表現していた。

 披露会では、どの学級の子供たちも「からだ」を表現しようと熱演をしていた。観客から盛大な拍手をもらい、自信をもつことができた。