夢山学習を通して、夏山地区を知ろう

 夏山小学校では、学校前にある山のことを「夢山」呼んでいる。14年前には地区の方々の協力を得て、マス池や水車小屋を新築した。5・6年生もマス池に稚魚を放流して、毎日の沢水の管理やエサやりを欠かさずに世話をしてきた。この夏には42センチまで成長した。ところが、今年の渇水で全滅してしまった。残念がった子どもたちは、どうしてこんなに水が減ってしまったのだろうと疑問に思い、山の様子について調べてみることになった。環境問題にも関係しているので、総合の時間を使って学習を進めていくことにした。

 また、今度はニジマスではなくイワナを育ててみようということになり、淡水研究所に相談したところ、稚魚を30匹くらい分けてもらうことができた。現在、6センチくらいだった稚魚が20センチくらいまでに成長してきている。

 子どもたちが調べたところ、山にはヒノキ、杉の木が多く植林されていて、放置林のため山が暗くなっていた。間伐が必要なことが地域の方の話から分かってきた。

 4月に夢山の池の近くに、2階建ての小屋を作りたいという子どもたちの声を聞いた地区の方が、手伝いをしてくださることになり、実際に小屋作りも始まっていった。そこで、小屋の柱や壁板に山の間伐材を利用することになり、切り出しや製材を子どもたちも参加して行うことになった。

 基礎工事・土台作りを終え、板材にペンキを塗り、柱材も準備ができてきた。2学期までには材料を準備し、3学期には建前をして、新築を祝っての「完成おめでとう会」をしたいと考えている。

 また、学芸会では、これまでの学習をもとに台本を考え、「夢山のそのまた夢」と題した劇を上演することができた。劇中に歌った「夏山川」という曲は、見てくださった方々や演じた子どもたちのも感動を誘った。