六ツ美中部のまちを知ろう(六ツ美中部小4年生の実践)
~すてきなまち わたしたちの六ツ美中部~
六ツ美中部小学校の校歌に、「菜の花の咲きさきて 悠紀のほまれのゆかしきところ」という一節があります。大正から昭和30年代ころまで、六ツ美の里は「菜種の里」として有名でした。学校の校舎も菜の花と同じ黄色です。4年生は、総合的な学習の時間のテーマとして郷土を中心に扱い、そして、この「菜の花」をきっかけとして、学習を展開することにしました。
まずは、「菜の花」をキーワードにインターネットを使って一人調べをする時間を取りました。子供たちが集めた情報を分類すると、「菜の花とはどんな花なのか。」「菜の花の育ち方」「菜の花を使った料理」など、多岐に渡りました。その中に、「菜の花からとれる油」や、「六ツ美と菜の花の関わり」に着目した子たちがいました。
学区にある「JAあいち」の協力を得て、本校では、菜種油をしぼる体験を毎年行っています。今年も、子供たちの興味関心がわいてきた6月に、「菜種油搾り体験教室」を実施しました。作業工程は、以下の通りです。
① 足で踏んで種を取り出す。
はじめ、菜種のついた大量の穂束を前に、子供たちは何をどうするのかという不思議な表情で、JAの方の説明を聞いていました。足で踏むことで穂から菜種を取り出すことを知ると、早くやってみたいという期待感が表情にあふれ始め、足踏み作業が始まると、協力をしながら全身を使って作業に取り組んでいました。
② 「ふるい」を使って種を分ける。
手で種をすくって集め、ちぎれた穂先と種を分けるために、ふるいを使いました。ふるいをゆすると落ちてくる大量の菜種を集める作業に精力的に子供たちは動いていました。
③ 「とうみ」で選別をする。
とうみ(唐箕)に種を入れると、風の力で菜種の粒に付いたごみや葉が取り除かれる様子を子供たちは興味津々で眺めていました。この選別の方法が百年以上昔に一般的に広まったことを知ると、その発想に子供たちは感心していました。
④ 「搾油機」でしぼる。
きれいに選別された菜種の粒を「搾油機」に少しずつ投入していきました。いいにおいが漂い、油の搾りかすに続いて、出口から菜種油が滴ったときには、歓声が上がりました。
2時間ほどの作業を通して、大量の穂を処理して菜種油をしぼるところまで体験した子供たちでした。そこで、「これだけの穂からたくさんの種を取ったのに、しぼられる油はとても少しだった。」、「手作業が多くて大変だ。」という率直な感想が出てきました。11月下旬には、再びJAあいちの方の協力をいただき、体験教室で集めた菜種油を使ってフライドポテトを調理し、他の油で揚げたものと味比べをする体験をする予定です。郷土の歩んできた菜の花の歴史に、より高い関心を抱いて、総合的な学習の時間の学びを深めていってほしいと思っています。
報告者:六ツ美中部小学校 徳原 雅治先生