「田んぼから広がる自然保護」

 昨年度、5年生の総合学習で学区の田んぼでの米作りを行った。本校学区は、広田川、安藤川が流れる平地で、田んぼが、比較的多く残っている。しかし、田んぼを取り巻く環境はどうだろうか。そうした疑問から、田んぼの生き物調査を開始した。

 

 数回の実地調査で見つかった生き物は、「メダカ」「カダヤシ」「アメリカザリガニ」「マルタニシ」「スクミリンゴガイ」「ヤゴ」「ゲンゴロウの幼虫」「ガムシ」「ミシシッピアカミミガメ」などである。見つけた生き物の生態を調べてみると、その多くが外来種であり、安易な放流などが生態系に与える影響の大きさを知った。また、学区の農家の方に昔の様子をうかがってみると、昔はたくさんいた「フナ」「ドジョウ」はあまり見かけなくなったそうだ。さらに、聞き取り調査やインターネットで調べたところ、昭和30年代に激減した生き物が、その後人々の努力で戻りつつあったものの、平成の大規模圃場整備の影響ですみかを失ってしまったことがわかった。農家の方と話し合い、魚道づくりの方法を考えたり、ごみを捨てないようポスター作りをしたり、冬場の生き物調査を行ったりするなど、学区の田んぼが、生き物にとっても住みよい環境であるよう、調査活動を計画中である。