守ろう生物多様性(葵中1年生の実践)
~考えよう わたしたちにできること~
1年生の理科の授業で校庭に咲くタンポポの観察を行った。観察の結果、日本には、セイヨウタンポポやカンサイタンポポ、カントウタンポポが咲いていることを理解した。さらに、タンポポの種類が在来種と外来種に分けられることを知り、総合的な学習の時間では、他の生き物についてもどのような在来種や外来種がいるか調べることにした。
インターネットや図書資料を使って、在来種と外来種について調べ、学級で話し合う時間を設けた。調べ学習から身近な地域に在来種や外来種がいることを知った。また、話し合いを通して、「在来種が減って外来種が増えていること」、「在来種を守るために外来種を駆除している人がいること」などに気付くことができた。さらに、宿泊研修で訪れた碧南海浜水族館の方から話を聞いた。感想を基に私たちができることについて話し合うと、「在来種と絶滅危惧種を守りたい」「環境をよくしたい」など、さまざまな意見が出た。
そこで、「在来種と絶滅危惧種を守りたい」「環境をよくしたい」などは、どんな取り組みをしているかと問い掛けると、反応は薄かった。在来種や絶滅危惧種・環境を守らないとけないことは理解できているが、どのような取り組みをしているかまでは分からないでいた。そこで、私たちの暮らす岡崎市ではどのような取り組みをしているのかを聞くために、岡崎市環境保全課の方をゲストティーチャーに招いた。「緑を増やす」「地産地消を行う」「地球温暖化を食い止める」などの取り組みをしていることを知った。生徒の感想を読むと、「人間の生活は自然の恵みによって支えられている。助けてもらっていることが分かった」とあり、私たちも自然の恩恵を受けて生活していることを理解し、自分たちでも在来種と絶滅危惧種や環境を守りたいという思いが高まった。
これまでの活動を受けて、「緑を増やす」活動で、生徒会活動と関連付けて校区にある伊賀川沿いにチューリップを植える活動を行った。また、「節電」「節水」など、環境を守るためにできることを、冬休みに挑戦した。「3日間だけれど、2日間しかできなかった」「続けることは大変だと思った」と、環境を守ることの大変さを肌で感じる生徒が多くいた。最後に、環境を守っていくことに対する自分の考えを書いた。生徒の感想には「人間の勝手な行動は自然界に影響を及ぼすから、自分勝手な行動はやめないといけないと思った」「節電・節水だけでなく、ごみの分別も環境を守ることで、私たちができることだと思った」とある。
1年間、生物多様性について考えてきた中で、今までは自分事として環境問題に興味関心を持っていなかった生徒が、できることは何かを考え、挑戦することができた。これからの学校生活、普段の生活でも生かしてほしいと願っている。