人間と自然との共存を考えよう

 日本の野生生物、3000種が乱獲や開発により絶滅の危機に瀕している。そこで、持続可能な未来の担い手となる生徒たちに、生態系の崩壊が人類の絶滅の一歩となりかねないことを意識させ、人間と動植物などの自然との共存をはかるためにできることを考え、実行する力をつけていきたい。

 常磐になじみの深い野生動物(サル、イノシシ、シカ)を題材に単元に入った。

 本校にシカに自宅を荒らされたことがある生徒がいる。その生徒に目撃情報を提供させ、リアリティーを持たせ、身近な問題とさせた。授業では、シカによる農作物の被害が増え続けているグラフから、シカの駆除に賛成の意見に学級の大半が傾いていったが、一人K男だけ、「人間の都合で地球温暖化が起こり、そのせいでシカの繁殖が増えているのだから、簡単に駆除すれば済む問題ではないと思う。もう少し、人間の側が,被害が少なくなるよう対策を講じてから、それでもだめなら駆除すればよいと思う。」という意見を持っていた。他にも生物全体のバランスに関わる意見があった。これらの意見こそが生物多様性につながる意見であり、今後もK男の意見を核にしながら授業を進めて行く予定である。