自分たちの手でお米を作ろう

 六ツ美中部小学校の5年生では、例年、学区に住んでいらっしゃる米農家の方々に水田を借りて米作りに取り組んでいます。

 5月の田植えでは、青々とした稲を4~5束ずつ束ねて、教えられたとおりに丁寧に植えていきました。水に浸された田んぼに、足を恐る恐る入れる子供もいれば、靴下を脱ぎ捨てて元気よく飛び込んでいく子供もいました。中には、張り切りすぎてしりもちを付く子供もいました。田植えが終わる頃になると「腰が痛い」と嘆く子供たちが大勢いましたが、農家の皆さんは、「本当に、上手だったよ」と温かい言葉を掛けてくれました。そんな農家の皆さんの明るく元気で、力強い姿に子供たちは、「昔の人たちは、もっと広い田んぼを一つ一つ手で田植えをしていたからすごい!」と尊敬のまなざしを向けていました。

 7月には、背丈が3倍くらいになった稲の観察に出かけました。稲の生長に驚きを隠せない様子でした。また、おたまじゃくしやアメンボなどの昆虫を見つけることもできました。しかし、稲に混じって多くの雑草が生えていることにも気づき、「草取りをしないと!」と稲の生長を心配する声も上がりました。

 同じく7月には、岡崎市役所の環境課の方をゲストティーチャーに招き、学区の水田に水を供給している高橋用水の水質調査を行いました。用水の中にある石の裏や、藻の中にあみを入れて、ヤゴやメダカ、小さな水中生物を捕獲し、それらが水質を決定する示標生物であることを学びました。高橋用水の水質がきれいであることを知り、その水で作られている学区の良質なお米のすばらしさにも気づくことができました。

 夏休み中には、学区ということもあり、子供たちは7月の稲の様子と8月の稲の様子を観察しました。8月の稲は、米の白い花が咲き、緑色から黄色へ、さらには黄金色へ変化していく様子を観察しました。

 9月には、稲刈りを行いました。鎌の使い方を学んだ後、一列に並んで稲刈りを始めました。「円を描くように鎌を動かすとよく切れるよ。」というアドバイスを受けて、さくさくと稲刈りを行うことができました。あっという間に、田んぼの稲を刈り終えると、隣でコンバインが脱穀を行う様子を見学しました。勢いよくコンバインに吸い込まれていく稲穂に目を奪われてしまいました。

 自分たちの生活と密着している高橋用水と、その用水から流れる水を利用して行われてきた六ツ美の米作り。環境と食のつながりを学びながら、学区の米作りに貢献できる人材育成にも努めたいと思います。

 3学期には、サポートしてくださった農家の方々を招いて、『お米パーティー』を開催する予定です。自分たちで田植え、稲刈りを行ったお米の味は、格別なことでしょう。今からがとても楽しみです。