下山のササユリを守ろう

 下山小学校では、総合的な学習で、ササユリの育苗・保護活動を行っている。ササユリは種まきから開花まで7年もの長い年月がかかる。そのため、保育園のころから活動に参加し、ササユリは下山小学校の子どもにとって身近で大切な花となっている。

 ササユリ活動の中心となって活動をするのは3・4年生である。(本校の中学年は複式学級である。)4月から、校庭やササユリハウスと呼ばれるササユリの育苗小屋のササユリの観察を始める。

 「ササユリの生長をみんなに伝えたい。」という子どもたちの思いを受け、今年は「ササユリ紙ブログ」に取り組んだ。ササユリの成長を写真にとり、自分たちの気付いたこと、伝えたいことを添えてポスターにして校内に掲示していった。この活動により、子どもたちはデジタルカメラ、パソコンという情報機器の使い方や情報発信の仕方を学ぶことができた。

 6月、開花が近づいたころには、地域にも情報を広げるため、「ササユリポスター」を描いた。イラスト、写真とともに「下山小のササユリを見に来てください」というメッセージを付けた。子どもたちは、郵便局や交番など、人の集まりそうな場所にポスターを掲示してもらうように頼んだ。子どもたちが地域とのつながりを意識することのできた活動であった。

 また、ササユリの開花の時期には全校で地域のササユリの本数調査を行った。昨年度よりもササユリの本数が減ったことを受け、開花の条件や、乱獲による本数の減少などについて問題意識を持つことができた。

 12月にも全校でササユリの育苗活動を行った。1年生は保育園の子どもたちとともに、ササユリの種まきを行った。昨年、自分たちがしてもらったように、保育園の子どもたちに教えることができた。2年生以上は校内のササユリのトロ箱やプランターの土の入れ替えをした。子どもたちは自分たちが種をまいたササユリが大きな球根に成長をしている様子を見て、開花を待ちわびる気持ちや、これからもササユリを大切にしていこうという意欲を育むことができた。

 地域の花ササユリを通して、子どもたちは自然を守ろうとする気持ち、地域を愛する心を育んでいる。