校内にある植物の観察をしよう ~植物図鑑作り~  (美合小 3年生の実践) 

 美合は多くの動植物を目にすることのできる自然に恵まれた学区です。当然,本校の敷地内にも数多くの植物が自生しています。それらの多くはひとまとめにして雑草と呼ばれてしまう植物で、ついている名前すら知られていないものがほとんどです。子供たちに,今まで気づかなかった身の回りの自然に目を向けさせたいと考え,これらの植物を扱うことにしました。

 また,雑草と呼ばれる小さな花も一生懸命に生きていることに気付かせ,「命」の素晴らしさについて知る手掛かりにしていきたいと考えました。「命」の素晴らしさを知ることは,4年生の「マイホタル活動」の学習にもつながります。さらにこの学習で,美合小のESD教育の一つ「表現する力の育成」についても子供たちに身に付けさせたいと考えて実践しました。

 学習は課題設定後,追究活動と発信活動の2つを交互に行っています。課題設定で,雑草と呼ばれている植物一つ一つが名前を持っていることを知った子供たちの植物を見る目は変わり,意欲を持って見つめることができました。追究活動では,採取した植物の花のつくりをもっとよく見てほしいと考えて,解剖顕微鏡を使用しました。教師がセットした上での観察でしたが,虫メガネとは違う道具を使っての観察は子供たちにとって新鮮で,学習意欲をより高めることができました。発信活動の過程では,観察する中で発見したことを友達に伝えるための資料作りとして,使用した植物を押し花標本にしてから記録用紙とともにラミネートし,一人ずつ植物図鑑としてまとめました。これにより,標本を長期間保存でき,またいつでも特徴を見ることができました。

 この植物図鑑は,子供たちが常に目にできるところに置いて,興味の持続につなげています。子供たちは,回数を重ねるにつれて厚みを増していく自分だけの植物図鑑がとてもうれしそうです。