感謝の心をはぐくむ(小豆坂小5年生の実践)
感謝の心をはぐくむ~田植え体験を通して~
小豆坂小学校では5月になると毎年,田植え体験を行っている。初めは小久井農場を訪問し,米作りについて勉強させていただき,大型農機具や堆肥の山を見せていただいて米作りについて学んだ。そして代かきまでしてくださった水田をお借りし,田植えをさせていただいている。
小久井さんからのお話は,米作りに対する情熱にあふれており,いつでも稲のことを気にかけていることが伝わってくる。うなずきながら話を聞く子供たちの目はとても真剣だ。
素足になり水田に入ると「冷たい」「気持ちいい」といった歓声や「気持ち悪い」「カエルだ」といった喚声があがった。徐々に泥の感触に慣れてくると多少の汚れも気にならなくなったようで,子供たちは大喜びである。子供たちの植えた苗の列はぐにゃぐにゃに曲がっているし,間隔も一定ではない。深さもまちまちで水中にもぐってしまっている苗もある。しかし生産者の小久井さんは「これでもすぐに立派に育ちますよ」と子供たちに優しく語りかけてくださっていた。
これらの体験を通して,子どもたちに生産者の米作りに対する愛情と,農作業の大変さを感じとって欲しいと願っている。
体験後の振り返りでは,「小久井さんは,わが子のようにお米を大切に育てていることがわかった」「米作りはとても大変だということがわかったので,これからは給食のご飯を残さずに食べたい」など,期待通りの言葉を子供たちの口からたくさん聞くことができた。
この1回限りの体験で終えてしまうのではなく,これからは学校でもバケツ苗に挑戦し稲の世話をしていく。本やインターネットを使って育て方を自分たちで調べ,秋の収穫まで自分たちで世話を行っていこうと計画中である。秋の収穫を迎える頃,子供たちの心がどのように成長しているのか,とても楽しみである。