気配り(=やさしさ)から「福祉」を考える

 宮崎小学校の5年生は、ひのき学習(総合的な学習の時間)で「福祉」について学習を行っています。本年度は、学校行事の中で様々な人と実際にかかわり合う経験を通して、福祉について考えていく活動に取り組んでいます。1学期は、茶摘みの会(5月)に山の学習(7月)、2学期は敬老会おもてなし活動(9月)と、これまでに3つの行事を軸に取り組みを行ってきました。

 

 地域のお年寄りの方々といっしょに行った茶摘みの会では、「勇気を出して、おじいさん・おばあさんに話しかけながらお茶つみしよう」を合言葉に活動に参加しました。活動後の振り返りでは、「恥ずかしかったけど、話しかけたら笑顔になってくれたのでうれしかった。」「お茶摘みのこつを教えてもらえてよかった。」等の感想が出ました。

 

 5校合同実施となる山の学習は、互いによく知らない者同士で班を組み、共同生活をします。そこで、参加するに当たり、「気持ちよく過ごす2泊3日にするには、何が大切だろう。」について話し合いました。茶摘みの会での経験から「積極的に話しかけて仲良くなる。」という意見が出たほか、「時間やルールを守る。」「仲間に迷惑をかけない。」等の細かな意見がいろいろ上がる中、ある児童の「要するに気配りが大切。」というつぶやきがきっかけとなり、「やさしい気配り めざせ!みんなが楽しい山の学習」という目標が出来上がりました。山の学習では、他校の仲間に気を使いながら活動する姿が随所に見られました。活動後の振り返りでは、「気を使ったので、すごく疲れた。」という本音も聞かれましたが、「友達になれてうれしかった。」「他校の仲間が手伝ってくれたので、うれしかった。」と、気配り(=優しさ)の大切さを改めて確認することができました。

 

 敬老会おもてなし活動では、5年生がリーダーとなって計画・準備を行い、学区敬老会に参加されたお年寄りの方々を「昔の遊びを通した交流」や「肩たたき」等でもてなしました。計画段階の話し合いでは、「気持ちよく座ってもらうために、座布団を用意しよう。」「足が悪い人がいるかもしれないから、椅子を出してその上に座布団を置こう。」「肩たたきしながらお話しすると、喜んでもらえる。」「昔の遊びが得意な人から教えてもらったりしよう。」等、1学期の活動体験をふまえた発言が見られました。活動後の振り返りでは、「座布団や椅子を用意したのはよかったと思う。」「ありがとうといってもらえてうれしかった。」という感想が聞かれました。また、3つの活動体験を通して「やさしい気持ちや気配りがあると、人の輪が広がるし、みんなが気持ちよく生活できる。」という思いに至ることができました。

 

 今は、敬老会おもてなし活動での「足が悪い人のために椅子と座布団を用意」という活動を出発点に、「福祉とは何か」について調べ学習を始めています。今後は、調べ学習や活動体験の成果をふまえ「福祉にとって大切なことは何か」について考えていく予定です。