着なくなった服が車のシートに変身する! 

 4年生の総合学習は、社会科の「ごみのしょ理と利用」の学習と関連付けて行っています。社会では、家庭から出たごみの種類や分量などを調べました。子供たちは、燃えるごみやプラスチックのごみなどは毎日出るごみと時々出るごみがあることに気づきました。次に、学校の近くのごみステーションからごみを収集される様子を見学しました。「くさーい」「ごみ袋の中にプラスチックのごみが入っていたよ。」など、収集される様子を見学することで、身近なところにごみ問題があることに気づきました。

 その活動から、学習のテーマを「もったいない作戦を実行しよう」と名づけて総合学習をスタートさせました。初めの活動では、8日間分の学校のごみを調べました。燃えるごみの袋が37袋もあり、家庭と学校のごみの量の違いに驚きました。さらに、ごみの種類が多いことにも気づきました。調べたごみの中には、修理すればまだ使えるほうきや、学習用品が捨ててありました。それを見て子供たちは、「まだ使えるのに捨てるのはもったいない」「ほうきを直して使おう」という気づきがありました。ごみとして処分するのではなく、修理したり名前を書いたりして物を大切にしたいという思いを持ちました。この思いが3Rのリペアやリデュースの考えにつながることを活動を通して理解することができました。

 ちょうど、季節が春から夏に変わることもあり、着られなくなった衣類をどのように始末しているかを家の人にインタビューしました。「地域の資源回収に出す」「拠点回収に出す」「まだ着られるけど、サイズが小さくなった服は、いとこにあげる」「よごれがある服は、服を切ってぞうきんとして使う」など様々な始末の方法があることを学級で発表しました。しかし、資源回収や拠点回収に出した衣類の、その後の行方は誰も知りませんでした。そこで、反毛工場で働いている方をゲストティーチャーとして招き、衣類のその後の行方を教えていただきました。まず、回収された衣類を色別に分けて、ボタンやジッパーなどの部品を取り除くために細かく裁断します。さらに細かくして綿状にします。ゲストティーチャーから実物を見せてもらうと、「何これー?ほこりみたい」と興味津々で見ていました。その綿状にしたものを固めて1枚のシートにします。そのシートの正体は何なのか子供たちにクイズを出しましたが、わかる子はいませんでした。正解は、車の部品として使われるシートです。子供たちは、いらなくなった衣類から車の断熱材や防音材に使われるシートに生まれ変わることを知りました。子供たちは驚くばかりでした。まさかシートに変身するなんて、目からうろこの体験でした。その他にも、白い衣類を綿状にしたものは軍手に生まれ変わるそうです。現在では、オカザえもんのキャラクター入り軍手にもなっているそうです。

 子供たちは、衣類こそリデュースやリサイクルができることに気づきました。だからといって、いらなくなった衣類をどんどん反毛工場に送り出すことが必ずしも良いこととは限りません。なぜなら、その分エネルギーが必要になるからです。やっぱり、地球のことを考えると、リデュースの考え方が1番良いのです。エネルギーの学習については、2学期のクリーンセンターの見学を通して学習を深めていきます。