岩津学区から米づくりを知ろう(岩津小5年生の実践)

 近年、岩津学区は住宅地が増加していますが、まだまだ多くの田畑が残っています。岩津小学校5年生は、学区在住の農家の方に田んぼをお借りして、5月には田植え、10月には稲刈りを体験しました。田植えと稲刈りのどちらも手作業で行いました。稲刈りでは、最初に子どもたちはバインダーを利用した作業を見学した後、5年生みんなで、手作業で刈り上げました。その後、コンバインを使っての脱穀作業の体験をしました。こうして、子どもたちは米づくりの大変さと共に、機械によって作業が楽になったことに気付くことができました。校内では大きなバットを用意し、学校田として植えた稲の成長を常時観察してきました。9月の始めには、普段気にすることもなく見過ごしてきた稲の花も観察することができました。これまで「米」はスーパーマーケットで売られているものという認識しかなかった子どもたちが、常時観察しながら田植えから稲刈りまでの栽培体験をすることで、植物としての「稲」を、その種子としての「米」を、より身近なものとしてとらえることができました。

 社会科の「米づくりのさかんな地域」では、庄内平野での米づくりを学びます。広大な水田が広がる庄内平野では、機械の導入によって、効率化を図ることが必要不可欠であることを、身をもって理解することにつながりました。田植えや稲刈りを自分たちの手で行った体験は、「米づくり」についての関心を高め、意欲的に学習に取り組めるようになりました。

 また、子どもたちの意欲の高まりを受け、廊下の一隅に、米穀店で販売されている色々な品種や、「米」に関する図鑑のコーナーを設置して、自主的に調べたりすることができる環境を整えました。放課に足を運び、色々見比べたり、調べたりしている子どもたちの姿を見ることができました。この中で、同じ品種であっても産地によってはブランド米として高値で販売されていることや、米にもインディカ米などの普段食べている米とは異なる品種が存在していることに気付くことができました。

 こうした活動の積み重ねから、「日本の米づくりを残したい」「ご飯を感謝して食べたい」などの思いが生まれ、自らの食生活についても意識を高めることができました。今後は、収穫した米を炊いて、味噌汁も合わせて作り、5年生皆でいただきます。その時には、私たちのために田んぼを貸してくださった農家の方を招待し、感謝の気持ちを伝える会を行う予定です。

児童の感想

  • 私は収穫体験をして、機械で収穫しているところを見て楽そうだったけれど、鎌で実際に切ってみると全然切れなくて大変だったので、昔の米作りはすごく大変だったのだと思いました。
  • 米づくりはとても大変なことだと思いました。理由は、稲が病気にならないように毎日世話をしなくてはいけないからです。私は、今まで普通にお米を食べていたけれど、その裏側には農家の人たちの苦労があることに気付きました。これからはもっと感謝してご飯を食べたいと思いました。
  • 昔の稲刈りは手作業で大変だったと思うけど、今は便利な機械があるから楽だと思いました。しかし、こんな機械があるのに、なぜ農家の人が減っているのだろうと思いました。私のおじいちゃんもお米を作っているので、色々を聞いてみたいです。