「お米博士になろう」

 本校には広さ7畝の学校田があり、そこで、5年生は今まで米作りを行ってきた。入学当初から、学校の裏山『にこにこ山』での自然との触れ合い、昆虫の観察、乙川での水の学習など、あらゆる体験をしてきた。それら全てが深く関わる米作りを5年生で学習することは、大変意義のあることだと思う。何より、毎日食べるお米がそういった自然の循環の中で栽培されていることを理解させたい。

 

 これまでに、種もみを発芽させ苗にする「もみまき」、田んぼに水を入れ、かきまぜる「代かき」、5年生が主で行う「全校田植え」「全校稲刈り」、コンバインでは行えない「はざかけ」、手作業で行う「脱穀」など、様々な体験活動をしてきた。個別追求の場としてバケツ稲も育てた。コシヒカリ・日本晴れ・古代米(黒、赤、緑)の種もみを使い、お米の育っていく様子も観察した。

 それと同時に田んぼでの生物調査も行ってきた。季節によって田んぼに生息する生き物は変化した。アメンボ、おたまじゃくしから始まり、大量に発生するホウネンエビ、ヘビにも遭遇した。生き物の変化を不思議に思う子供たちは、意欲的に田んぼの観察や「田んぼの先生」へのインタビューを行うことができた。

 9月、たくさんのトンボが飛ぶ中、全校稲刈り、はざかけ、脱穀と、今年も無事に収穫できたことに、子供たちは喜びを感じていた。個別に育ててきたバケツ稲も全員収穫することができた。11月の終わりには、学校田で取れたもち米で、もちつき大会が開催される。おもてなしをする心や、日本の文化に触れる良い機会である。

 今後は「日本の米作りやお米は分かったから、海外のお米との違いを知りたい。」「学校田とバケツ稲以外の、日本のお米の品種を知りたい。」「お米を使った各地方の伝統料理を知りたい。」など、活動の中から出てきた子供の疑問を調べていく。4月のはじめに、お米を作るだけだろうと思っていた子供たちが、様々な体験を通してお米のいろいろな側面を理解し、学ぶことに意欲的になったことに喜びを感じている。