3/19 第78回卒業証書授与式 菜の花のさきさきて
令和7年3月19日(火)、第78回卒業証書授与式を行いました。
昨晩の激しい雷雨は去り、少し冷たい春風が満開の菜の花を揺らす中、37人の卒業生が巣立っていきました。
運動場の状態の良い狭いエリアに密になってお別れ式を行いました。
「ソーシャルディスタンス」は過去の話です。
密になって、下学年と一緒に校歌を歌いあげる背中は、一回りも二回りも大きくみえました。
新型コロナウイルスによる制限が解けてからの二年間、失われた特別な時間を取り戻すかのように、軽やかに歩みを進めました。
五年生、山の学習のカレーライスは絶品。「オズの魔法使い」の歌と踊りは劇団さながら。おにぎりマンも良かった。
六年生、運動会のソーラン。全部本気の演技は見事。「エンジョイ玉入れ」は大人も子供も笑顔。全力で挑んだ部活動。仲間が背中を押してくれた。学芸会の「タピオカツンドラ」と「エルコスの祈り」。クラスの絆と豊かな表現力が光った。楽しい学校をつくるのは自分たち。「気づき、考え、実行する」姿が頼もしかった委員会活動。どの活動も「みんな」を大切にする優しさがあった。そして何より、修学旅行の取り組みは素晴らしかった。『絆で創る最高の思い出』を合言葉に、一人一人が役割を担い、自分たちの修学旅行を創り上げた。帰着式の誇らしげな顔は成長の証。
うまくいかないこともある中で、歩みを止めず、自分たちなりの答えを一つ一つ出しながら歩んできた二年間。彼らと共に過ごせたことを誇りに思います。
4月、彼らは、新しい世界に踏み出します。新しい世界で厳しい現実に直面した時に、思い出してほしいことがあります。それは、「帰る場所」があるということです。世界に目を向けると、いまだに戦争が続いている国があります。その戦争では、多くの子どもたちが笑顔で安心して暮らせる土地を、住む家を、家族を失っています。戦争だけではありません。この日本でも災害などでふるさとを失う厳しい現実があります。でも、彼らには「帰る場所」があります。いつもそばにいて喜びや悲しみを分かち合った仲間。君の背中をそっと押してくれた先生。温かく見守ってくれた地域の方。そして、いつも君の事を一番に考え愛し続けてくれた家族。この六ツ美中部小学校が、地域が、家族が、君たちの「帰る場所」です。
「僕らにはいつだって 帰る場所がある 空高く舞い上がる希望を抱き 明日へ向かい羽ばたこう 夢も想いも大切に 育ててくれたこの場所を 忘れることはないから いつだって前へ進めるんだ」
勇気をもって大空へとはばたいてもらいたいと思います。「まだいける」の言葉と共に、職員一同応援しています。ただ、彼らには苦しくなったら羽根を休める「帰る場所」があることを忘れないでいてほしいと思います。
卒業生三十七名の未来が、菜の花のように明るく輝くことを願っています。
見送りの会では、卒業生の夢と希望をのせて、ジェット風船が大空に高く舞い上がりました。