奥殿小学校のプールにも夏が来ました。例年、プール掃除に先立って、「水生昆虫採集」を行っています。昆虫にとって水場は生きるために重要な場所です。トンボが卵を産み、カエルが産卵にやってきます。今年は、プールの工事の関係で、3月に水を抜いたため、ヤゴはいなくなってしまいました。あとはカエルが4月以降産卵に来ていれば、オタマジャクシがいるはずです。せっかっくプールに入る用意をしてきて、何もいないのではかわいそうです。

 前日の夕方、排水を開始し、次の朝学校に来ました。予定では膝ぐらいの高さの水が残っているはずでしたが、すべてなくなっていました。これはまずいと思い、急いで排水口を閉じてプールの中に目をやりました。もうダメかと思いながらよく見てみると、オタマジャクシが、底にへばりついていたのです。水に流されまいと、底に付いていたのでしょう。オタマジャクシの周りにはわずかに水が残っていたので、ホースで水を流してみました。すると勢いよく、体をばたつかせます。「よかった。間に合った。」と思いました。プールの底に付いたオタマジャクシをすべてプールの中央にできた水たまりの中に流してやりました。ものすごい数でした。500を優に超えていました。

 「水生昆虫採集」が始まると、写真のように、子供たちは大喜びで水生昆虫を捕まえていました。間に合ってよかったという安心感とゲンゴロウやヤゴがいればという残念な思いを共に感じながら子供たちの様子を見ていました。