町のすきなところをさがそう -常磐東小2年-
町のすきなところをさがそう -常磐東小2年-
【単元のねらい】
- 自分たちが住む町を探検し、様々な場所やもの、人に出会いながら、親しみや愛着をもって人々と接したり、生活したりしようとする。(関心・意欲・態度)
- 諸感覚を働かせたり、体験活動をしたりして、町のことを調べ、地域の場所やそこで生活したり働いたりしている人々について考えることができる。(思考・表現)
- 心に残った出来事や自分の気に入った場所に気付き、より常磐東学区に親しみや愛着を深めることができる。(気付き)
【実践の様子】
子供たちに学区の知っている場所や好きな場所を聞いたところ、非常に多くの場所があげられた。特に、自分が住んでいる町について、知っていることが多かった。しかし、住んでいる町以外は同じ学区でも知らない場所が多いことに気付いた。そこで、本学級の子供たちが常磐東学区にある六町のうちの五町に住んでいることを活かし、学区探検で五町を探検することにした。その町に住んでいる子供が班長となって、自分の町の好きなところやいつも遊んでいるところを紹介することにした。探検に行ってみると、その町に住んでいる子も、知らなかったり、見たことはあるけど何のためにあるのか、分からなかったりするものも見つけることができた。また探検した町が増えてくると、町と町を比較して考えるようになった。
五町に探検に行った結果、子供たちが一番興味を示したのは、八幡宮にあった狛犬だった。子供たちは、はじめて狛犬を見たときに「シーサーみたいだね。」「よく見ると顔がこわい。」といろいろな感想をもっていた。学区探検をすすめると、五町すべてに八幡宮や神明宮があり、そのすべてに狛犬があることが分かった。五町の狛犬をよく見比べてみると、右の狛犬と左の狛犬では顔が少し違うことや八幡宮・神明宮によって、違いがあることに気付くことができた。なぜ狛犬が、どの八幡宮・神明宮にもあるのか、狛犬には、どういう意味があるのかなどを調べ、常磐東マップにまとめようということになった。
常磐東マップの作成では自分の住んでいる町を模造紙1枚にまとめることにした。各町10個以上の好きな所を選び、おすすめの場所やなぜ好きなのか一人一人の思いを文章にしていった。そのため、どの町のマップも、子供たちの様々な気持ちが出るものとなった。
発表にむけて、マップの文章をもう一度見直し、調べたり、台本作りを行ったりした。発表会は1年生だけでなく、3年生や校長先生方、マップ作成のために力になっていただいた人たちをお招きして行った。2年生への質問が出たり、分からないことは上級生や校長先生が補足してくれたりして、中身の濃い発表会となった。
学区探検を始める前は、子供たちから「何にもないよ。」「山しかない。」という意見も出ていたが、学区探検を始めてから、学区の良いところをたくさん見つけ出すことができた。普段から何気なく見ている場所や、遊んでいる場所に対して、考えたり、調べたりすることで、学区の素晴らしさを知ることができた。
☆子供の思いや願いを大切にして探検を行ってきたことが分かります。自分の町のことを友達に紹介したいという気持ちを高めて5町を探検したことで、町と町を「比べる」視点が生まれました。「比べる」ことで、その町の特徴が際立って見えてきます。結果的に気付きの質が高まります。次期学習指導要領で求められる「深い学び」とは、生活科でいうと、気付きの質を高めることです。意図的に「比べる」視点が生まれるように仕組むことが深い学びにする手だての一つとなります。また、子供の「狛犬」に対する興味を見取り、地域の狛犬をみんなで調べられるようにしたのもすばらしいです。八幡宮や神明宮をはじめ、これまで見過ごしていた地域の「もの」を見直すきっかけになったことでしょう。「何にもないよ」「山しかないよ」と思っていた子供たちですが、地域のよさに気付き、地域への誇りを胸に生活していくことでしょう。(生活科指導員:林尚子)