ようちえんのことなかよし -小豆坂小1年-

【単元のねらい】

  • 幼稚園の子との交流会での学校探検において、園児に喜んでもらえる学校探検の計画を立てたり、準備をしたりしようとする。(関心・意欲・態度)
  • 園児に喜んでもらえる学校探検にするためには、どんな探検にしたらよいのか、何を準備したらいいのか考えたり、案内したりすることができる。(思考・表現)
  • 園児の立場に立って学校探検の計画を立て、実際に学校探検を行う中で、できるようになったことや、頑張って準備や活動をした自分自身の成長に気付くことができる。(気付き)

 

【実践の様子】

 いつも生活科の授業を楽しみにしている子供たち。5月に2年生と「あさがお集会」で、学校探検を行いました。「理科室に行きたい」「保健室に行きたい」など、興味を持つ教室がありました。学校探検後も「もっと探検に行きたい」という思いを持ち続けてきました。

 

 2学期になり、幼小交流の場を有効的に活用し、今までの学校探検を一歩進め、園児に学校を案内する学校探検を行うことにしました。 一緒に学校探検へ行くことを聞いた子供たちはとてもはりきっていました。子供たちはカードに、楽しくなる学校探検にするために、いくつも工夫を書きました。それをもとに自分の意見を発表していきました。「同じはやさで歩いてあげる」「優しくしてあげる」「学校のことをしゃべってあげる」など、子供たちのそれぞれの思いが出てきました。それを「どんな方法で」「準備するもの」「教えてあげること」の3つに子供たちで分類しました。

 

 幼稚園の子と学校探検をする前には、幼稚園児役と1年生役に分かれて学級で練習をしました。練習会の振り返りでは、「幼稚園児役の子に、優しくできたよ」「スタンプの場所を教えてあげられたよ」「部屋のことを教えてもらえた」など、よかったところだけでなく、「スタンプしか押せなかった」「走っていってしまった」と、幼稚園の子と楽しい学校探検にするために、直した方がよいところも出し合いました。「スタンプは2人で押したほうがいいかも」「幼稚園の子と手をつないで行くといい」という意見も出てきました。どうすれば幼稚園の子に喜んでもらえるか具体的に考え、話し合うことができました。

 

 いよいよ幼稚園の子が学校に来る日。子供たちはとても嬉しそうな様子でした。用意した地図を持ち、幼稚園の子の手を引いて探検しました。探検後の作文からは、「かおをみたときたのしそうなかおをしていました」「ようちえんのこは、うれしそうにすたんぷをおしました」と満足気な様子が見取れました。

 

☆内容①「学校と生活」と内容⑧「生活や出来事の交流」をうまく関連付けた実践です。本実践では、幼稚園の子が楽しく学校探検できるように、知恵を出して計画を立て、みんなで方法や内容を決めています。そういう場面で子供たちは考えます。つい、教師が決めてしまいがちですが、子供たちが思考する場を奪わないようにしたいものです。学校での自分の生活を豊かに広げていこうとする気持ちを育むためにも、4月、5月に学校探検をして終わりにせずに、お気に入りの場所を幼稚園や保育園の子に教える、案内するなどの活動を年間を見通して設定したり、生活科を核とした合科的な単元構成を工夫したりすることも大切です。学校の実態に合わせたスタートカリキュラムへと発展していくといいですね。