「大すき!ぼくら町きらりたんけんたい」 -大樹寺小2年-

【気付きの質を高めるための手立て】
  • 身近な町や人の良さへの気付きを高めるために、町探索をしてわかったことをまとめ、工夫して表現し、伝えるという活動を取り入れる。

 

 「町大すき」の学習では、探検を通して、地域のよさに気付き愛着を持つことをねらいとしている。子どもたちは、好奇心旺盛で、何でもやってみたいという気持ちを持っているが、子どもたちの活動範囲は限られており、全ての学区を把握しているわけではない。町探検は、そういう子どもたちが普段行かない場所に行ったり、見たことのないものを見つけたりできるよい機会であり、「見たい・聞きたい・伝えたい」という気持ちを持つことができるだろう。

 大樹寺小学校には、大樹寺の他にも荒井山九品院や西光寺などの歴史ある寺院、消防署北分署、鴨田交番といった公共施設、ケーキ屋や肉屋、魚屋といった地域に根付いた店舗、ヤマナカやドミー、フィールといったショッピングセンターなど子供たちの興味を引きそうな場所が数多くある。そこで、これらの場所や人々を取り上げ、何回も探検を重ねることで、今まで知らなかった場所やもの、人の魅力に気付かせたい。また、探検をして分かったことをまとめ、工夫して表現し、伝えるという活動を取り入れることで、町の人のよさへの気付きを高めていく。

「大樹寺の町のきらりスポットを教えあう」

 

〈大きな学区の地図を広げて〉

 学区について、子どもたちがそれぞれ好きな場所を発表し、その場所を、大きな地図上へ記入していった。さらに、学校を中心に3方向に分かれて学級単位で探検に出かけた。学級単位の探検後、少人数のグループに分かれて「きらりたんけんたい」を結成し、一つの場所について詳しく調べる町探検を行った。
「町のきらり発表会」では、ポスターセッション式の発表、自分の発表をするだけでなく、友達のよかった点について伝え合う方法を取り入れた。

 

〈地図上での場所の確認〉

 発表者は、手順(①②)にそってお気に入り「きらりスポット」を紹介した。

①、お気に入りスポットの名前を言い、学区の地図上で示す。

②、①がどんな場所なのか、またどんなものなのかを発表し、お気に入りの理由を付け加える。

 発表後、聞き手は、発表のよいところや、紹介されたきらりスポットについての感想や意見を述べた。

 

〈発表者〉

 子どもたちは、友達の紹介を通して、自分の知らなかった場所に興味を持ち、「ぜひ、今度行ってみたい。」という感想を持ったり、「自分も何度も行ったことがある。(発表者と)同じように思った。」など、発表者に共感する意見を述べたりした。

 この「町のきらり発表会」を通して、子どもたちは、友達の見つけたお気に入り「きらりスポット」に、自分も行ってみたい、見てみたい、人に会ってみたいという気持ちを高めることができた。

 

●複数回に分けての町探検や教室いっぱいの大きな地図、そしてポスターセッション式の発表における伝え合い活動。気付きの質を高めるための手立てが、いくつも感じられます。子どもたちは、調べた場所やもの、人の魅力に触れ地域に愛着を持つとともに、調べた場所やもの、人に関する様々な気付きが高まっていったことでしょう。(生活・総合指導員)