水の不思議に迫る「なつのあそびをたのしもう」の実践 -男川小1年-

【単元のねらい】

  • 夏の自然遊びや行事に関心をもち、みんなで楽しく遊ぼうとする。(関心・意欲・態度)
  • 必要な道具などを使い、工夫して遊んだり作ったりすることができる。(思考・表現)
  • 季節の変化、自然物で遊んだり作ったりする楽しさ、自然の不思議さ、みんなで遊ぶ楽しさに気付くことができる。(気付き)

 

【実践の様子】

 「先生、ねえ見て。私、汗でこんなに頭びっしょびしょ。暑いなあ。」「ぼくも暑い。早くプールに入りたいなあ。」と、6月に入るとさらに暑さが増し、子供たちは夏の暑さを肌で実感していました。「なつとなかよしになろう」の授業では、夏にしかできない楽しい遊びをみんなで考えました。本学級には、プールで遊ぶことが好きな子がたくさんいます。「水に入るとひんやりして気持ちいいもん。」「ばしゃばしゃってかかると楽しいよ。」など、夏は暑いから、冷たい水で遊びたいという意見が多く出されました。夏と仲良しになるには、水遊びが一番だと今までの経験から考えたのでしょう。

 

 水遊びをすることが決まると、どんな水遊びがいいのかいろいろ考え始めました。「毎日アサガオにお水をあげているペットボトルじょうろは使えないかな。」「いいね。私は、ペットボトルを押して水飛ばしがしたいな。」「ぼくは、男川ランドの砂山の上から水を流したいな。」など、子供たちの思いが大きく膨らみました。身の回りのものを見直し、実生活から自分との関わりのある夏の遊びを考え、実際に活動できました。みんなよい表情で、楽しく遊ぶことができました。

 

 「ペットボトルじょうろじゃ、水があんまり遠くに飛ばなかった。ぼくは水のかけ合いっこがしたいのに。」楽しかったじょうろでの水遊びを、動作や絵を交えながら教室で発表していたとき、そんな一言でみんな考え込みました。するとある子が、「マヨネーズの容器ならもっとぷしゅーっていきそうだよ。」と発言し、学級全員の目がきらきら輝きました。せっかくなので、水鉄砲のかけ合いっこの他にも「地面に絵がかけるかもしれない。」「容器を頭の上に向けて押したら楽しそう。」など、やりたい遊びがたくさん出てきたので、いろいろな遊びをやってみることにしました。

 

 「かけ合いっこ」や「水かけ鬼ごっこ」、「水お絵かき」、「的当てゲーム」、水圧でボールを動かす「ボールころがし」など、いろいろな遊びができました。マヨネーズが出る 穴は大きいから、もっと小さい穴を作りたいという子は、きりで穴を開け、道具を工夫しました。子供たちは、「一人じゃつまらない遊びでもみんなとやるから面白かった。」「飛んできた水しぶきが体に当たるとひんやりしてすごく気持ちよかった。」「空に飛んだ水の玉はきらきらしてきれい。」「絵を描きたくて校庭に水をたらすと、砂の色が茶色になること が分かったよ。」「コンクリートの上に溜まった水溜まりは、時間が経つと温かかった。」などという自分や友達、自然事象への気付きが生まれました。「こんどは、チームにしてかけ合いっこがしたい。」や「みんなで一気にお空へ水を飛ばしたらもっときらきらして、きれいになりそう。」などと、次の活動への意欲が生まれました。

 

 子供たちは知的好奇心や探究心をもって活動に取り組んでいました。また、夏という季節にしかできない「水遊び」を通して、自分と周りの友達や自然事象との関わりの中で新たな気付きを得ることができました。水遊びの翌朝の元気調べでも、水遊びについての発表をする子が多くいて、水遊びで発見したことをみんなに伝えたい気持ちが伝わってきました。

 

 これからも、「あきとなかよし」、「ふゆとなかよし」になれる活動を子供たちといっしょに考え、自然のひみつをいっぱい見付けていきます。

 

●子供も先生も水着になって、みんなで水遊びに没頭している様子が伝わってきました。内容6「自然や物を使った遊び」では、「遊びに使うものを作る→遊びながら改良する」というように、遊びに没頭できる場を設定することが必要です。運動場でダイナミックに行った授業では、子供が比べたり、繰り返したり、試したりできる場があり、子供の活動を見越していろいろな道具もそろえられていました。また、「わかった!穴をふさげばいいじゃん」という子供のつぶやきに耳を傾け、「上に飛ばすにはどっちがいいの?」と、対話で子供の思考を促す場面も見られました。びしょぬれになりながら、子供も先生も水の不思議さを実感したことでしょう。