「あきとなかよし」 -六西小1年-

【気付きの質を高めるための手立て】

  • 諸感覚を働かせて秋を見つけ、それを「見つけたよカード」に蓄積させていく。
  • 見つけた秋を友達と伝え合う場を設けることで、見方を広げて次への活動のきっかけとする。

 

 2学期に入ってからのアサガオの観察では、多くの子が「1学期と違って・・・」と様子の変化に気付き、変化する不思議さをすぐ身近で感じ取ることができました。しかし、秋を探す活動は何か変わったことはないか、秋と関連したものは何だろうと、自分から探す必要があります。生活経験の少ない子供たちにとって、秋と関連しているのかどうか、以前と変わったかどうか判断することは難しいことです。そこで前と変化したことはないか、諸感覚を働かせて見つけるように声をかけ「見つけたよカード」に書いて蓄積させていくことにしました。発見できた事象はもちろん、このカードが増えていくことも子供たちにとって大きな喜びです。次に見つけた秋を紹介し合うことで、驚きや感動を共有します。これが、「自分も見つけたい」「たくさん集めて遊んでみたい」と次への活動の意欲になると考えました。

 例年にない猛暑に、秋は来るかと思われた2学期初めでしたが、10月に入りやっと秋らしくなってきました。1学期や夏休みと比べて違うものを見つける活動から入りました。家庭での生活の中から見つけたり、学校や学区の神社で秋を探したりしてカードに記入していきました。特に学区の神社では総代さんからツバキの実やムラサキシキブの花を取ってもらったり、オシロイバナの名前の由来を教えてもらったりして、たくさんの秋を見つけ大喜びで帰ってきました。

 次に「みつけたあきのすごい・ふしぎをしょうかいしよう」と見つけた秋を伝え合いました。子供たちは「神社で拾ったイチョウの葉は裏がさらさらして気持ちいい」「ぼくのドングリは帽子が大きい」「ツバキの実が最初割れてなかったのに、割れてきた。」等、勢いよく発言していきます。「モミジは1学期は緑色だったけど、今は赤色」という発言から「1学期は春と夏で、秋になって赤色になった」「春は緑色で、秋になって赤くなる」と、季節による変化に気付くことができました。

 そして友達の見つけた「あき」を実際ににおいをかいだり、さわってみたりして確かめる活動を行いました。「キンカンはミカンとレモンのにおいがする。」「(キンカンの実が)枝についていないとそんなににおいがしない。」と新しい発見をしました。

 授業の振り返りでは「みんなの見つけた秋を見られてすごい楽しかった。」「またいろんな秋、誰も見つけてないものをみつけたい。」と、秋についての知識や気付きが広がったことが伝わってきました。

 その後子供たちは放課になると校内の秋を見つけに出かけ、アサガオリースの飾り付けをしたり、コマや剣玉の材料にしたりして秋を楽しんでいます。

 

●諸感覚を生かし、「見つけたよカード」を書きながら、秋に関連したものを見つけていった子供たち。「イチョウの葉は裏がさらさら」「春は緑色で、秋になって赤くなる(モミジ)」「キンカンはミカンとレモンのにおいがする」「(キンカンの実が)枝についていないとそんなににおいがしない」といった表現からは、季節や自然に対する気付きの質の高まりが感じられます。授業の振り返りも、友達と伝え合うよい場となり、次の活動へのきっかけになっています。(生活・総合 指導員)