「むしのふしぎ、みつけた」 -矢作南小1年-
むしのふしぎ、みつけた! -矢作南小1年-
【単元のねらい】
- 身近な生き物に興味・関心をもち、自分で探した虫の世話を楽しみながら行っていこうとする。(生活への関心・意欲・態度)
- 虫がいそうな場所を考えて採集したり、生き物の特徴に合わせて世話の仕方を考えたりすることができる。(活動や体験についての思考・表現)
- 虫が生息している環境やその捕まえ方、育て方について気付くとともに、上手に世話ができるようになった自分のがんばりなどに気付くことができる。(身近な環境や自分についての気付き)
【実践の様子】
本校の学区は、緑豊かな土地に恵まれているため、男の子の多くは普段から虫捕りに出かけては、お気に入りの虫を捕まえようとはりきっているようです。中には、お父さんと一緒になって、カブトムシやクワガタムシを捕まえに、夜の雑木林に出かけ、見事に捕まえてくる子もいました。
そんな自然に恵まれた学区に住む子供たちに、虫捕りを通じて、生き物と楽しく関わる機会にする活動を設定しました。
本校の近くにある鹿乗川の川原に、虫捕り網と虫かごを持って出かけます。子供たちは、草むらの中にもどんどんと入っていき、積極的に網を振ります。草むらの反応を見つつ、虫の気配を読んでいるようです。「捕まえた!」という声がそこら中から上がり、「先生見て~!」と駆け寄ってきました。すると、ショウリョウバッタやクルマバッタなどの大きなバッタを捕まえている子もおり、普段から虫捕りに慣れていることがうかがえました。その一方で、「全然いない~。」と言って、虫かごをからっぽのままにしている子もいます。友達に捕り方を教えてもらいながら、何度も挑戦しました。しかし、友達に虫を捕まえてもらったものの、どうしても虫が怖くて、持ち帰るのすら躊躇してしまう子もいました。
捕まえた虫たちを、学校で世話することにしました。子供たちは、捕まえてきた虫が快適に暮らせるような「虫の家」を作ろうと試行錯誤しました。最初は、草を少しだけ入れていただけの子も、友達の工夫している様子を見たり、教えてもらったりしながら、徐々に自分なりの工夫ができるようになっていきました。そうやって用意した「家」の中で暮らす虫たちを、時間を見つけては観察していました。その中で、虫たちの不思議に気付くと、子供たちはにこにこしながら友達に教えていました。
1週間ほどのお世話だったのですが、当初は虫を見るのも嫌だった子たちが、本当に熱心に虫と関わることができるようになりました。自分が飼う虫に、名前を付けたり、触って世話をすることができるようになったりすることができました。実際に生き物と関わっていくことによって、本当に多くのことを学ぶことができたように感じます。
●学区の自然を生かし、また虫捕りが好きな男子を生かした実践であることが分かります。
友達に虫の捕り方を教えてもらったり、捕まえてもらったり、友達の「虫の家」の様子を見たりしながら気付きを深めていった子供たち。子供たちが学んだ「多くのこと」は、季節感であり、生命の尊さであり、そして友達との協調性であると感じました。「友達に教えてあげた自分」にも、気付くことができたことでしょう。(生活・総合指導員)