生きもの はっけん ~めざせ!ザリガニ名人~ -井田小2年-

【単元のねらい】

  • 生き物を飼育して,それらの育つ場所・変化や成長の様子に関心をもつ。(関心・意欲・態度)
  • 生き物は命をもっていることや成長していることに気付く。(気付き)
  • 生き物への親しみをもち,大切にすることができる。(思考・表現)

 

【実践の様子】

 井田小には、2,3年生の昇降口に水槽があり、青木川にいる魚が飼育されています。子どもたちは毎日いろいろな魚の様子を見てきました。

 また、中庭に飼育小屋があり、ニワトリやウサギに自由に触れられるようになっています。

 

 4月に行った「春はっけん」では,学校内で春に咲く花を何種類も摘んで花束を作ったり,バッタやモンシロチョウを捕まえて担任に自慢しに来たりしていました。

「花ややさいをそだてよう」では,自分が選んだ野菜の苗を大事そうに鉢に植え替え,毎朝野菜に水遣りをしました。

 

 しかし,春に捕まえた生き物は,世話の仕方がよく分からずに数日で死なせてしまいました。捕まえた生き物の命の重さを実感しきれていないと感じられました。

 そこで、自分たちの生活をもとにして、必要なものを「水」「家」「食べ物」などに分けて考えさせ、ザリガニにとって暮らしやすい環境になっているかどうかを考えさせることにしました。

 

 学区に流れる前田川上流のザリガニ探しを行いました。ザリガニがどんなところにすんでいるのかを確かめ,ザリガニを飼ってみたいという意欲を高めました。

 

 始めに水も何もない空の水槽にいるザリガニを見せました。大型のテレビに映されたザリガニを見て、

「苦しい」

「おなかすいたよ」

 とザリガニの気持ちを発表しました。

 

 次に、ザリガニが元気に暮らすために必要なものを考えました。

「死んじゃうから、水がいるよ」

「食べ物もいるよ」

「隠れる場所がいるよ」

「ザリガニと同じくらいの大きさの石」

「鉢のかけらも」

「もっと水を入れて」

「水草をもっと広げて」

 など、みんなで意見を発表し合い、ザリガニが暮らしやすいすみかを考えました。

 水槽に鉢のかけらを入れると、ザリガニがその下に入って行きました。子どもたちは「ザリガニが入ってる」と感動していました。

 

 発表し合った意見を生かして、ザリガニのすみかになる水槽を絵に描き、それをもとにして、ザリガニの水槽を作り、飼育を始めました。

 

 飼育していくうちに子どもたちは,ザリガニの食べる,育つ,成長する,死んでしまうなどの変化を目の当たりにするでしょう。このような命の営みに触れることが何より大切で,命は大事にしなければならないという思いが高まっていくことを願っています。

 

●最初は、捕まえた生き物の命の重さが実感できなかった子供たち。そんな子供たちが、本気になってザリガニの気持ちを考えられるように、先生は、何もない空の水槽にいるザリガニを見せたり、すみかになる水槽を絵に描かせたりする手だてを考えられました。子供たちはザリガニの変化に寄り添うことにより、命の営みに触れ続けることができたことでしょう。(生活・総合指導員)