アドバイスをし合って「やなん大すき!町のきらきら発表会」を成功させよう -矢作南小2年-
気付きの質を高める手立て
|
矢南学区には、石工団地や西岡崎駅、牛小屋、ケーキ屋やお菓子屋と地域に根付いた店舗や工場が、数多くあります。子供たちは、学区の好きな場所を教え合う中で、友達が教えてくれた場所に興味を持ち、探してみたい、行ってみたいという思いを持ちました。
そこで、まずは、学区を3方向に分け、学級単位での探検に出発。そのときに、いくつかの施設や店舗などの写真を載せた探検カードを持って、出かけました。「あっ、ここは、この写真の所だ。」などと探検カードに同じ場所を見つけては、喜ぶ子供たち。探検場所を見つけたいという目的意識や、より深く観察しようとする意欲を持つことができました。
その後、子供たちはもっと調べたいという思いが強くなりました。そこで、今度は、調べたい場所ごとにグループを作り、探検しました。少人数での探検なので、子供たちは、どきどきわくわくしながらも、やる気満々で探検に向かいました。グループごとにデジタルカメラを持ち、新しく発見したものを撮影したり、
働く人に直接話を聞いたりすることで、好きな場所がさらに大好きになった子供たち。それぞれの探検から帰ってきた子供たちは、「ケーキ屋さんで、シュークリームの作り方を教えてもらったよ。」「牛小屋には、牛が60頭もいたよ。全部メスで、耳に番号が付いていたんだ。」など、分かったこと知ったことを口々に話し出しました。
その思いを持って、「やなん大すき!町のきらきら発表会」を開くことにしました。発表会には1年生の子を招待することに決まり、準備を始めました。発表の仕方は、紙芝居、壁新聞、クイズ、インタビュー形式での発表などグループごとに考え、それが実現できるように十分な時間を確保して準備しました。そして、聞く人に分かりやすい発表にするために、リハーサルを行いました。リハーサルでは、それぞれのグループの発表を聞いて、良い点やアドバイスしたい点を見つけ、色を変えた付せんに記入して教え合いました。リハーサルを終えた子供たちからは、「良いところをいっぱい教えてもらえて、うれしかった。」「説明が大きい声でできてよかった。」「インタビューで説明する方法は、おもしろかった。」「店の中の絵があって、分かりやすかった。」などの感想が聞かれました。良い点や改善点を教え合う場を設定したことで、子供たちは、自分のがんばりや友達の良さに気づくことができました。今、子供たちは、もっと良い発表会にしようと、アドバイスを生かして準備を進めています。きっと、発表会は、大成功することでしょう。
●お互いのグループで改善点を出し合うことで、子供たちは相手意識をより強く持ち、次の発表に向かっていけますね。改善点・よい点が単なる発表の仕方にとどまるのではなく、発表の中身まで迫れるようにしたいものです。そのためにも、リハーサルで見合うためのポイントをあらかじめ教師が明確にしておく必要がありますね。そうすれば改善の内容も質的に高まります。アドバイスの内容によって付せんの色を変える手立ても、とても有効です。子供たちが探検を通じて「学区への愛着」をもち「学区の人のすばらしさ」を知っていくこと、また、町探検の授業を通して、互いの良さや自分のがんばりにも気付いていくというのは、生活科の大きな目標です。(生活・総合指導員)