「あずきざかのすてき見つけたい」 -小豆坂小2年-
「あずきざかのすてき見つけたい」 -小豆坂小2年-
【単元のねらい】
- 町探検に出かけ、様々な場所やもの、人とかかわり、『あずきざかのすてき』を見つけようとする。(生活への感心・意欲・態度)
- 町探検で見つけた『すてき』について、ペープサート、紙芝居、新聞、すごろく、カルタなどで表現し、色々な発表の仕方で友達や1年生、町の人などに分かりやすく伝えることができる。(活動や体験についての思考・表現)
- 小豆坂学区には「すてき」な場所やものがあり、また「すてき」な人がいることに気付き、より小豆坂学区に親しみや愛着を深めることができる。(身近な環境や自分についての気付き)
【実践の様子】
小豆坂学区は、スーパーマーケットや自動車学校、スポーツ施設、郵便局、飲食店や小売店などが多くあります。また、小豆坂古戦場や血洗い池、馬洗い池、槍立て松など、歴史的な名所にも恵まれている場所です。
小豆坂小学校の2年生は、1年生の道徳で「たけちよ」を学習しました。そこで、後に徳川家康となる竹千代が今川家の人質にされながらも勤勉に学んだエピソードを知りました。この話は、子どもたちにとって、行動のよいモデルとなりました。学習のときに「竹千代みたいに、がんばってね。」と声をかけると、本当にそのように学習がでました。
このような子どもの実態を受けて、2年生の生活科では、さらに小豆坂学区への思いを深めたいと考えました。そこで、生活科の通年のタイトルに「あずきざかのすてき見つけたい」を掲げ、学区の人や物や出来事に積極的に関わり、対象への思いを深めることを目標としました。
そして、1学期には、学区の歴史に触れる機会を設け、小豆坂古戦場を見学に行きました。小豆坂古戦場には、松平家や織田家、今川家の家紋モニュメントがあります。子どもたちは、この場所が2度にわたる小豆坂の合戦の舞台であり、徳川家康とも関わりがあったことを知りました。
また、探検で発見したこと話し合う学習では、「昔の人は、命がけで戦っていて、一生懸命」「【土地を】広くして、人が生活できるように、安全な良い場を欲しかったのかな」「血洗い池は、血や傷ついたところを洗ってくれるから、優しい池だと思った」「また戦うために、武器の血を洗った。昔の人は武器を大切にしていた。」という意見が出ました。低学年には難しい学習だったかもしれませんが、歴史について意見を発表した子どもたちは、自分の考えを楽しそうに話していました。
2学期には、「小豆坂のすてき見つけたい~町探検バージョン~」として、学区のお店や施設に探検に行きました。ケーキ屋や結婚式場、喫茶店、ペット専門学校、文具 店、中古車販売店など、合計10カ所を、4つのコースに分かれて探検しました。
ケーキ屋の「フロマージュ」では、将来ケーキ屋さんになりたい児童から「自分の夢に近づく、第一歩になった」と喜ぶ声が聞かれました。また、結婚式場「マリエール」を見学した児童のお礼の手紙には、「…へやもいっぱいあるから彼女を作って、マリエールで結婚式を挙げたいです。店員さんは、優しいですね。彼女をつくるまで生きていてください。早めに彼女を作ります。」と書かれていました。自分のこととして人や場所のすてきを捉えることができ、町探検はキャリア教育にも繋がったと感じました。
「あずきざかのすてきはっぴょう会」では、紙芝居・ペープサート・新聞・すごろくなど、児童の表現したい方法で、分かったことを発表しました。そして、1年生やたんけんでお世話になった方、たんけんに付き添ってくれた保護者に招待状を書き、学んだことを発表しました。紙人形劇を選んだ班では、クイズとセットにして聞き手の興味を引いたり、難しいクイズにはヒントを出したりする工夫が見られました。
今後は、「お店のすてき」について、さらに話し合いを進め、1年を通して発見した「町のすてき」を小豆坂すてきカルタにしていく予定です。そうすることで、子どもたちの学びを、学校全体に発信できたらと考えています。
●町探検の取り組み方・考え方に、多くの学ぶべきところがある実践です。
まず1学期にも時間を生み出し、合戦場跡としての地域の特色を生かしたり、1年生の道徳の学びとつなげたりしたこと。そして2学期の探検でお世話になった方や保護者に、学んだことを発表したことも、学校に対する地域の信頼に発展する上で、意味があります。「小豆坂すてきカルタ」も楽しみです。(生活・総合指導員)