10月29日(金) 密集飼育で育てた幼虫を放流

 今年は、カワニナをエサにした通常飼育、サカマキガイをエサにした飼育と併せて、短期間密集飼育に取り組んできました。通常の半分ほどの飼育ケースに2.5倍の500匹の幼虫を入れて飼育を始めました。エサは、通常の小さなカワニナの稚貝ではなく、数ミリ以上の大きなカワニナの稚貝を、カラを砕いて与えました。大きな稚貝は、小さな稚貝を採集するときに混ざってしまうの、ほとんど手間をかけずに採取できました。カラを砕いたカワニナを与えると、水が傷みやすいので、幼虫が小さな頃から、給水による換水を充分に行ってきました。密集飼育は、稚貝が充分にとれる夏から秋までの短期間としていました。9月頃までの予定でしたが、幼虫の成長が遅かったので、10月まで飼育を続けました。

 10月の成育状況を調べたところ、5mm以上に成長した幼虫が700匹以上いたので、成長のよい200匹を放流することにしました。放流場所は、4人の自然科学部員の自宅近くでカワニナのいる川や水路にしました。できたら、カワニナがいてゲンジボタルが飛んでいない場所を選ぶようにしました。放流したのは1cm前後の小さな幼虫なので、どれだけが生き残れるか、また、成虫になるまで何年かかるかも分かりませんが、放流した場所で、新たにゲンジボタルの飛翔が見られることを期待しています。