7月29日(金) 幼虫が赤虫を食べる様子を観察しました

 カワニナの代わりに冷凍赤虫をエサにしてゲンジボタルの幼虫を育てる試みを令和2年度から続けてきました。しかし、赤虫で育てた幼虫の成長があまりにも悪いので、今年度は新しい幼虫を冷凍赤虫で育てることはやめました。今まで赤虫をエサにして育ててきた幼虫は、そのまま赤虫で育て続けることにしました。

 今まで、幼虫が赤虫を食べる姿は、あまり見ることができませんでした。1令幼虫の頃は、赤虫を与えた翌朝に、赤虫に群がっている幼虫の姿を見かけることがありましたが、1令幼虫はとても小さいので、食べている様子はよく見ることはできていませんでした。大きくなった幼虫は、炭のカゲなどに隠れて食べるので、食べている姿は、全く見ることができませんでした。

 

 

 今回、令和2年から赤虫をエサにして飼育を続けてきた3年ものの幼虫が、赤虫を与えたら明るいところに出てきて、見えるところで赤虫を食べ始めたので、じっくり観察してみました。

 ①幼虫は赤虫が沈んでいるところを歩き回って、赤虫を集めて、腹のあたりで抱えるようにして、赤虫を確保した。

 

 

 

 

 ②集めた幼虫の中の1匹を脚で抱えて、食べ始めた。

 

 

 

 

 ③赤虫をかじる

 ホタルの幼虫は外部消化で、エサを溶かして消化してから飲み込むといわれていたが、アゴを動かして赤虫をかじりながら、飲み込んでいるように見えた。かみ砕いた肉片を飲み込んでいたのか、肉片を溶かしてから飲み込んでいたかは、よく見えなかった。

 

 

 ④カワニナを食べるときにも使われる、アゴの外側に付いている膜を広げて食べていた。

 アゴ外側の膜は、食べているものが流れ出たり転がり落ちないようにアゴの周りを包み込むように広がる。カワニナの殻の中に頭を入れて食べているときはよく見えないが、カラを砕いたカワニナを与えると、アゴの周りの膜を開いて食べている姿が見れる。

 赤虫を食べるときも、カワニナを食べるときと同じように、アゴの周りの膜を広げていることが分かった。

 

 

 ゲンジボタルの幼虫が、どのようにしてエサを食べているか。こんな基本的なことですら、よく分かっていない、よく見えていないことが改めてよく分かりました。