10月21日(水) カワニナとサカマキガイをエサにした場合の生育状況の比較

 先週のカワニナをエサにしてきたケースに続き、サカマキガイをエサにしてきたケースの幼虫数えも終了しました。そこで、10月の時点での、カワニナとサカマキガイをエサにして飼育した場合の、幼虫の成育を比較してみました。

 カワニナをエサにして育てたものは、3000匹で飼育を始めて、1cm以上が560匹、1cmから5mmが628匹、5mm以下が46匹、合計1234匹でした。サカマキガイをエサにして育てたものは、400匹で飼育を始めて、1cm以上が55匹、1cmから5mmが160匹、5mm以下が23匹でした。飼育開始の3000と400でそれぞれの数字を割ったものを、生存率とします。結果は次のようになりました。

 1cm以上の幼虫の生存率だけカワニナの方が良かったですが、合計の生存率も1cmから5mmの幼虫の生存率も、5mm以下の幼虫の生存率もサカマキガイで育てた飼育ケースの方がよい結果となりました。サカマキガイはカワニナと比べても劣るエサではないことが分かりました。

 サカマキガイで育てたものは、大きく育ったものは少なく、最大サイズもカワニナで育てたものより小さめです。しかし、1cmほどのものはカワニナよりサカマキガイで育てたものの方がずいぶん多く、幼虫全体の量というかボリュウム感はサカマキガイで育てたものの方が多く感じられました。

 さらに、カワニナで育てていると、9月10月に多くの幼虫が死んでしまいます。この時期に幼虫の数をカウントしていると、順調な飼育ケースでも多くの死骸が浮いています。調子の悪い飼育ケースでは、この時期に壊滅状態になってしまっうものもあります。しかし、サカマキガイをエサにしたケースでは、今回、幼虫のカウントを行なっていても死んでいる幼虫はほとんどいませんでした。サカマキガイをエサにしたケースの幼虫は、全体的に少し小さいけれど、とても元気があって活性が高いような感じがしました。原因はまだよく分かりませんが、幼虫放流を増やしていくためには重要なポイントだと思われます。