★1110 修学旅行記2
奈良での日程を終え、宿泊施設の「和順会館」にほぼ予定通り到着。この「和順会館」、驚くほどきれいで、洗練された宿泊施設。立地もよく、目の前には雄大な知恩院の山門がそびえ、清水寺へは歩いて行けます。施設に入るとお香の香りに包まれ、厳かな気分になりました。「和順会館」は、知恩院の僧侶や氏子、講、参拝者のために作られた宿泊施設「宿坊」だそうで、そうした雰囲気もうなずけます。早起きすれば、6時からの朝のお勤めも体験することができるそうです。さらに大浴場も完備しているため、修学旅行には人気の宿泊施設です。そんなことを知ってか知らずか、常南っ子たちは、オートロックの鍵を開けるのに一苦労しながら、それぞれの部屋に落ち着きました。昔のような大部屋ではないので、枕投げもできないなあ、などと不謹慎なことを考えながら、私も部屋に入りました。ちなみに、帰ってきてから一番良かったところを聞いたところ、「宿」と答え子がいたとか。大人ですねえ。
夕食を終え、入浴。パジャマ姿の常南っ子が廊下を闊歩します。現れたのは、ピカチュウ、ミニオン、ちいかわ、トムといったキャラクターの着ぐるみパジャマ。う~ん、小学生らしいというか…。入浴後のお楽しみは、舞妓さん鑑賞。誰の趣味なのかはおいておいて、期待に胸を膨らませ、キャラクターたちと一緒に、舞妓さんの登場を待ちます。常南っ子のために来てくれたのは、23歳の○○さん。舞妓さんならではの舞も素敵でしたが、その後の質問タイムが大いに盛り上がりました。中学卒業と同時にこの世界に飛び込んだという○○さんに、小学生なりに「舞妓」という職業に対する思いをもって質問する常南っ子。自身の将来について考える貴重な時間になりました。最後は、お座敷遊び体験です。お座敷で興じられる雅な遊びは、今でいうところのリズムゲーム。やる気満々の常南っ子が、次々に挑戦しますが、いずれも撃沈。最後は、リズム感なら一番の奥脇先生も挑戦。誰よりも粘りましたが、惜しくも撃沈。さすが、本物にはかないません。期待以上に、はんなりとした時間を過ごすことができました。
この日は、22時消灯。とはいえ、子どもたちにとっては、ここからが修学旅行の醍醐味…、と思いきや、奈良を存分に歩いたこともあり、どの部屋もすぐに静かになりました。大部屋でないこともその要因でしょうか。それでも、翌日聞いたところによると、結構遅くまで起きていた子もいたとか。上手に思い出を作りましたね(笑)。
子どもたちが寝静まった後、打ち合わせを終えて、せっかくなので大浴場を堪能しました。足を伸ばしてのんびりできるお風呂は気持ちが良いです。これで温泉だったらいうことないのに、などと勝手なことを思いながら湯船につかっていました。ただ、大浴場の入浴時間は23時まで。少しあわただしかったのが残念でした。部屋に戻り、明日に備えてスマホの充電をしようとしたときです。つないでもつないでも、いっこうに充電ランプが付きません。うん?うん?うん?とコードをこねくっていると、「バチッ」と小さな音が。へ?とスマホを見るとバッテリーの残りが19%に。「ぎゃあ~」叫びたくなるような大変な事態です。何が大変って、私には、修学旅行の様子を、写真で逐一学校に伝えるという重要な役割が。これでは明日、役立たずになってしまいます。その後も悪戦苦闘しますが、充電ランプはつくことなく、瞼だけが重くなっていきました。
(つづく)