平成28年度第3回学習会(第2回主任者会)
第3回 学習会 10月4日(火)第2回生活科主任者会
場所 総合学習センター 教育研究室1
内容 「次期学習指導要領において生活科に求められる役割」
◆生活科の目標のイメージ <文科省「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ」より>
生活科において、対象に直接関わる具体的な活動や体験を通して育成を目指す資質・能力を、資質・能力の三つの柱や生活科の特質を踏まえつつ、幼児教育において育みたい資質・能力とのつながりや、小学校低学年における他教科及び中学年以降の理科、社会、総合的な学習の時間を含めた各教科等における学習との関係性も踏まえた上で整理すると、概ね以下のように考えることができる。
・知識や技能の基礎
具体的な活動や体験を通して獲得する自分自身、社会事象、自然事象に関する個別的な気付きや関係的な気付き、具体的な活動や体験を通して身に付ける習慣や技能などが考えられる。
・思考力・判断力・表現力等の基礎
身体を通して関わり、対象に直接働きかける力や、比較したり、分類したり、関連付けたり、視点を変えたりして対象を捉える力などが考えられる。
・学びに向かう力・人間性等
身近な人々や地域に関わり、集団や社会の一員として適切に行動しようとする態度、身近な自然と関わり、自然を大切にしたり、遊びや生活を豊かにしたりしようとする態度、自分のよさや可能性を生かして、意欲と自信をもって学んだり生活しようとする態度などが考えられる。
こうした資質・能力を育むために、生活科の目標としては、具体的な活動や体験を通して、「身近な生活に関わる見方・考え方」を生かし、自立し生活を豊かにしていくための資質・能力を育成することを示す。
※見方:様々な事象等を捉える各教科等ならではの視点
「どのような視点で物事を捉え」
※考え方:各教科等ならではの思考の枠組み
「どのように思考していくのか」
◆生活科における「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)
①「主体的な学び」の視点
・生活科では、子供の生活圏である学校、家庭、地域を学習の対象や場とし、対象と直接関わる活動を行うことで、興味や関心を喚起し、自発的な取組を促してきた。こうした点に加えて、表現を行い伝え合う活動の充実を図ることが必要である。
・小学校低学年は、自らの学びを直接的に振り返ることは難しく、相手意識や目的意識に支えられた表現活動を行う中で、自らの学習活動を振り返る。振り返ることで自分自身の成長や変容について考え、自分自身についてのイメージを深め、自分のよさや可能性に気付いていく。自分自身への気付きや、自分自身の成長に気付くことが、自分は更に成長していけるという期待や意欲を高めることにつながる。
・学習活動の成果や過程を表現し、振り返ることで得られた手応えや自信は、自らの学びを新たな活動に生かし挑戦していこうとする子供の姿を生み出す。こうしたサイクルが「学びに向かう力」を育成するものとして期待することができる。
②「対話的な学び」の視点
・生活科では、身の回りの様々な人々と関わりながら活動に取り組むことや、伝え合ったり交流したりすることが大切である。伝え合い交流する中で、一人一人の発見が共有され、そのことをきっかけとして新たな気付きが生まれたり、関係が明らかになったりすることが考えられる。他者との協働や伝え合い交流する活動は、一人一人の子供の学びを質的に高めることにもつながる。
・また、双方性のある活動が行われ、対象と直接関わり、対象とのやりとりをする中で、感じ、考え、気付くなどして「対話的な学び」が豊かに展開されることが求められる。
③「深い学び」の視点
・生活科では、思いや願いを実現していく過程で、一人一人の子供が自分との関わりで対象を捉えていくことが生活科の特質であると言える。
・「身近な生活に関わる見方・考え方」を生かした学習活動が充実することで、気付いたことを基に考え、新たな気付きを生み出し関係的な気付きを獲得するなどの「深い学び」を実現することが求められる。低学年らしいみずみずしい感性により感じ取られたことを、自分自身の実感の伴った言葉にして表したり、様々な事象と関連付けて捉えようとしたりすることを助けるような教員の関わりが求められる。
◆生活科におけるカリキュラム・マネジメント「スタートカリキュラム」
・幼児教育からの子供の学びの連続性を保障(幼児教育の学びの上に)
・発達段階を踏まえて時間割をモジュールで構成
・生活科を核に合科的・関連的な指導
・学習のきっかけが生まれる学習環境
・学校全体の取組
◆幼児教育の接続を重視したスタートカリキュラム作成
① 従来の週予定を参考に、1週間分の時間割を考える
・幼稚園や保育園での学びを生かしているか
・モジュール(15分程度)にできるところはないか
・生活科を核に合科的にできるところはないか
② スタートカリキュラム作成の見通しを立てる
・いつ作成するとよいか
・作成する際に問題になりそうなことは何か