日時  平成27年10月6日(火) 第2回生活科主任者会 

場所  総合学習センター2F 教育研究室1

内容  「スタートカリキュラム~幼児教育に学ぶ~」

    講師:岡崎市立広幡幼稚園教諭主任 太田 真澄 先生

 

 生活科は、幼児教育の成果を受け、それを小学校において「学ぶ力」へと転換する中核的教科です。しかし、入学直後のスタートカリキュラムが適応指導にとどまっており、その質に課題があると言われています。幼児教育からの円滑な学びの接続・連続性を図るために、広幡幼稚園教諭主任の太田真澄教諭から幼児教育について学び、スタートカリキュラムの在り方を見直していきました。

〈幼児教育〉

 幼児期は「自覚的な学び」に至る前の時期です。遊び中心の生活の中で、様々な資質や能力を身に付けていきます。本来、幼児は「知りたい」「学びたい」という好奇心や欲求をもっています。生活や遊びの中で、その欲求を満たす経験を積み重ねられるようにすることで、「自分はできる」という有能感をもち、前向きに取り組む態度を獲得していきます。それぞれの興味関心に応じた直接的・間接的体験を通じて、自分なりに「見つけた」「分かった」「できた」という実感をもつようになり、積極的に物事にかかわろうとするようになります。それこそが、小学校以降の生活や学習において重要な「自ら学ぶ意欲」や「自ら学ぶ力」につながります。

〈スタートカリキュラム〉

 幼児教育は、生活科とかなり似ている部分があります。円滑な学びの接続をするために、生活科を中心にした時間割を組むとよい理由がここにあります。幼稚園や保育園では、全員が黒板を向いて椅子に座っているということはまずありません。幼稚園や保育園での生活を考えると、いすに座って1時間を終えることは経験のないことです。こうした発達段階を考えて、15分から20分程度の単位で授業を組み合わせていく方法があります。たとえば、学校探検で体育館に行けば、子供は、「はやくここで運動をしたい」という思いをもちます。そこで、その思いを拾い上げて、探検の残りの時間に体育の授業を取り入れることが考えられます。時間割を、生活科を核にして、国語、算数、音楽、体育へとつなげていくことで、子供の思いや願いを実現する学びへと変換していくことができます。

☆ 平成27年1月に、文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター より「スタートカリキュラム スタートセット」が全国の小学校に配布されました。ぜひ、参考にしてください。 https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/startcurriculum_mini.pdf ここをクリックすると、「スタートカリキュラムスタートセット」を見ることができます。