061202 こころの色
12月10日は「人権デー」、その人権デーを最終日とする1週間を「人権週間」といいます。人権週間は、私たち一人ひとりの権利や自由を大切にすることについて考える大切な期間です。
「人権」という言葉は、少し難しく感じるかもしれませんが、人は一人ひとりがかけがえのない、尊いものであるということから、どんな場合にも、踏みにじったり、無視したりしてはならないものといえます。簡単に言えば「みんなが幸せに、安心して生きるための権利」と言えます。
世界共通の基準としてつくられた、「世界人権宣言」というものがあります。詩人の谷川俊太郎さんは、世界人権宣言を分かりやすい日本語にしました。全部で30条からなる世界人権宣言の第1条には
みんな仲間だ
わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助けあわねばなりません。
とあります。
例えば、学校で友達と遊ぶとき、誰かが仲間外れにされて悲しい思いをしたら、それは良くないことです。みんなが楽しく遊べるようにするためには、お互いの気持ちを考えて、みんなが安心できる方法や場所を作ることが大切です。
また、以前に話をしたことがあるように、言葉には力があります。誰かに優しい言葉をかけると、その人は嬉しい気持ちになりますが、反対に傷つける言葉を言うと、その人は悲しい気持ちになります。谷川俊太郎さんの詩のように、言葉で人を幸せにすることもできるのです。
谷川俊太郎さんの「こころの色」という詩を紹介します。
私がなにを思ってきたか
それがいまの私をつくっている
あなたがなにを考えてきたか
それがいまのあなたそのもの
世界はみんなのこころで決まる
世界はみんなのこころで変わる
あかんぼうのこころは白紙
大きくなると色にそまる
私のこころはどんな色?
きれいな色にこころをそめたい
きれいな色ならきっと幸せ
すきとおっていればもっと幸せ
谷川俊太郎さんの詩は、言葉の美しさと共に深い意味を持っています。詩を通して、心の豊かさを感じ、互いに優しい気持ちを育てていくことができるでしょう。
人権週間は、みなさんの身近なことを通じて、お互いに優しさと思いやりを持つことの大切さを考える良い機会です。みんなが違うけれど、みんなが大切な存在だということを忘れずに、これからも友達や家族、周りの人たちと仲良くしていきましょう。