「苦しい時の一歩は心細いけれど その一歩のところに新しい世界が広がっている」

温かみのある水彩画とともに、この詩を書いた人は星野富弘さんといいます。優しさや力強さ、美しさあふれる作品の数々を残されています。星野さんは、このような絵や詩を書くようになる前は、中学校の体育の先生でした。ところが、体操の指導中、宙返りに失敗し、頭から転落してしまいました。そして首から下が動かせなくなってしまったのです。24歳の時でした。

入院中に口に筆をくわえて文字や絵を書き始めたのをきっかけに作品作りをスタートさせました。もちろん、はじめからうまくいきません。大変な努力をして字の練習をしました。絵をかくことにも挑戦しました。そして素晴らしい作品を描けるようになりました。

星野さんは今年4月28日、78歳で亡くなりました。残した作品の数々は、体の自由を失い、絶望の淵にいた星野さんが、筆をくわえて綴った生命の記録といえます。

今年の児童会活動のテーマは「はばたこう 笑顔あふれる 夢いっぱいの 新時代へ」でした。星野さんの作品の中にある「新しい世界」と、矢南っ子がつくる「新時代」は、重なっているように思います。

運動会が終わり、1週間過ぎました。次の目標に向かってチャレンジを続ける矢南っ子の姿を期待しています。