やさしさ 2024.3.19
校庭の木々が芽吹きはじめ、命の躍動を感じる季節となりました。本日、ここに矢作南小学校第七十七回卒業証書授与式を挙行できますことを心より感謝いたします。本日はご多用の中、PTA会長様はじめご来賓の皆さま、保護者の皆さまにご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
百五十六名の卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。今、君たちへ授与した証書は、小学校六年間を終えた大切な証です。
昨年の五月八日以降、新型コロナウイルスに関する生活制限が緩和されました。この一年間、以前の学校生活を取り戻そうと皆さんは先頭に立ち、学校の中心として行動してくれました。そして、多くの行事を無事終えることができました。しかし、様々な感染症の影響もあり、行事に参加できなかった子が多くいました。一生懸命練習しても参加できなかった人のことを思うと、今でもつらく、苦しい気持ちになります。努力したことは必ず自分の財産になります。つらい経験をした人達は、その財産をぜひ、次のステージで生かしてほしいと思います。
さて、皆さんは自分の長所や良さについて考えたことがありますか。自分の短所や苦手なことは、すぐに見つけることができるかもしれませんが、良さはなかなか気づけません。私が思う六年生の皆さんの良さは「やさしさ」です。困っている仲間をさりげなく助ける六年生。温かな笑顔で一年生のお世話をする六年生。皆さんのおかげで矢作南小の子供たちは優しい子が増えていると思います。
優しさを受けた人は心豊かで、誰にも優しくできます。イギリスのプリンセスであった・ダイアナ妃は言っています。
見返りなんか期待せず、周りの人に優しさを無作為に与えましょう。大丈夫、いつか誰かがあなたに同じことをしてくれるから。
本当の優しさの連鎖は、確かに見返りを求めていては起こりません。相手の話を聞き、相手の気持ちを考え、相手の幸せを喜べる人は心の余裕があります。皆さんには、これまでの多くの経験を生かし、本当の優しさをもった心の強い人になってほしいです。
先日、入学式で撮影したみなさんの写真を見返しました。入学したばかりの一年生は初々しさとかわいさに溢れていました。小学校六年間、仲間と笑い喜び、時には涙して悲しみ、心の底から怒ったことがたくさんあったと思います。多くの経験を積み、心も体も大きく成長しました。ここから見える皆さんの姿は、たくましく立派です。今後、もっともっと成長してほしいです。優しさ一杯の皆さんは、必ず世の中で必要とされています。今まで十二年間育ててもらったおうちの方、お世話になった先生方から受けた多くの優しさを未来の誰かに引き継いで欲しいです。一人一人に与えられたかけがえのない命、たった一つの大切な命。この命を多くの人の役に立ててくれることを期待しています。
最後になりましたが、保護者の皆さま、お子様のご卒業まことにおめでとうございます。この六年間のご協力とご支援に心より感謝を申し上げ、私の式辞といたします。
何事もまずは経験から 2023.4.22
令和五年度、百三十名の一年生を迎え、全校八百十五名でスタートしました。これまでマスクを着けることが当たり前だった入学式。子供たちの笑顔がとても印象に残りました。これからの学校生活で、子供たちがうれしいことや楽しいことだけでなく、苦しいことや悲しいことなど、多くの経験を通して、成長することを願います。
先日、一年生が初めての雨降り登校をしました。玄関で子供たちを出迎えていると、傘のたたみ方を尋ねる子供がいました。一人で傘をたたんだ経験がなく、いつもお母さんがたたんでいることを教えてくれました。傘をたためずに困っている子は、他にもたくさんいました。
失敗したら、もう一度起き上がればよい。転んだって何ともない。
新しい学級での生活が始まりました。最近は、失敗をするかもしれないと強い不安を抱える子供や慣れない環境で自分をうまく表現できない子供が増えています。不安や緊張は一歩を踏み出す勇気を奪います。できないと最初からあきらめることなく、まずはやってみる。失敗するか成功するかの結果だけに目を向けるのではなく、その経験を次への活動に生かしてほしいです。保護者、学区の皆様、ぜひ子供たちの挑戦を応援してください。本年度も引き続き、学校へのご理解とご支援をお願いいたします。