落ち葉スキーとフィールドアスレチックを思う存分楽しんだ5年生の、次なるミッションは飯ごう炊飯。自分たちの夕食のために、ご飯とカレーを作らなければなりません。炊飯オリエンテーションを受けた後、5つのグループに分かれて活動開始です。4班に加えてもらった私は、いろいろ役に立とうと、テントサイトに行きますが、すでに役割分担の下、炊飯活動が進んでおり、出る幕なしでした。きれいに組まれた炉のもとで、火もすぐにつきました。飯ごうをかけ、ご飯を炊き、カレーなべを準備し、カレーを煮込みます。火の準備をする役も大切ですが、やはり、お米を洗ったり、野菜の下ごしらえをしたりと、流し場で奮闘してくれた女子2人の活躍は素晴らしかったと思います。片付けでも、この2人が粘り強く丁寧に洗い物をしてくれました。他の班にも、「面倒だなあ」と思う仕事に前向きに取り組める子がたくさんいたと思います。さすが5年生です。

  

時間に余裕があったおかげで、カレーをじっくり煮込むことができました。山でよくあるシャビシャビカレーでなく、とろーりおいしいカレーができました。おなかも満腹です。

自分の班のカレーに夢中になっていたため、仕事であるキャンプファイヤーの準備に行くのを忘れていました。あわてて、太陽の広場に向かいますが、すでにきれいに準備完了。校務員さんと山の指導員さんに、感謝感謝です。5年生のテーマ「心をひきしめ、仲間と助け合おう」を思い出し、心をひきしめました。次の仕事は、「山の神」への変身です。毎年思うのですが、なぜ常磐南の「火の神」の衣装は赤なのでしょうか?今年も初めて見る方々に、「赤なんですね」と驚かれ、胸を張るべきか、恥ずかしがるべきか、常磐南の「火の神」はスペシャルです。

いつの間にか空が暗くなり、キャンプファイヤーの時間がやってきました。エールマスターの♪クンバイヤ♪が山々に響きます。何とも言えない神秘的な空気の中、5年生の♪遠き山に日は落ちて♪が始まり、ハミングへと変わったタイミングで、「山の神」が登場します。「校長先生ですよね」と叫ぶ声を聞き流し、中央の井桁に火をうつします。井桁は一気に燃え上がり、太陽の広場が明るく照らし出されました。今から始まる楽しみな時間にワクワクしている5年生の顔が並びます。エールマスターの「さあここからはみんなで楽しみましょう」の合図で、スタンツが始まりました。各チームごとに、工夫を凝らしたスタンツがファイヤーを盛り上げます。「火の神」の個人的な見解では、昔ばなし「桃太郎」の劇が、お気に入りでした。ボンファイヤーの最後には、担任と教務主任の先生によるトワリングがサプライズで披露され、子どもたちから感嘆の声が上がっていました。

  

楽しい時間はあっという間に過ぎるもの、気が付けば、井桁の火も小さくなっていました。最後に、「火の神」から4人の5年生に、「友情」「希望」「思いやり」「協力」の火が与えられました。それぞれに誓いの言葉を述べた4人は、もらった火を使って、火文字に点火をします。浮かび上がった文字は「なかま」。5年生31人が、これからもずっと仲間であり続けられるよう、みんなで心をひとつにしました。

 

キャンプファイヤーの余韻を感じながら、ロッジに戻ってお風呂、就寝準備と、ゆっくりとした時間が過ぎていきました。充実した1日を過ごしたせいか、消灯時間には、どの部屋も静かになり、山の1日が終わりました。

(つづく)