①   国語との違い

 国語では,主人公のある行為に対する心情を「叙述(ことば)」に即して考えることが主であるのに対し,道徳では「子供の生活体験」から考えることが主となります。国語では,「ここに△△と書いてあるから○○だ」となりますが,道徳では,「私は,主人公はこう考えたと思うから○○だ」となります。

②   特別活動との違い

 特別活動では,具体的な問題の解決方法を示し,子供の行動や態度を形成することが重要です。道徳では,方法ではなく,その方法をとる理由(価値観)を磨きます。特別活動は即効的であり,道徳は遅効的です。

③   総合的な学習の時間との違い

 総学は,自ら課題を見つけて解決する力を育てる「総合的な学習」であり,その中に道徳指導が含まれることも多いですが,総学=道徳ではありません。道徳は,子供の価値観を磨く場です。例をあげると,福祉施設での体験活動の後,その感想の発表に終始するのではなく,一つの価値(例えば思いやり)に焦点をあてて自覚を深め,自分の生活全体へと広げ,自分を見つめることが必要となります。