発問をどのようにすればよいのですか
① 発問の組み立て方
指導過程に即した発問は,授業を方向付け,ねらいを達成するのに欠かせない役割を担っています。問い方一つで,子供たちの追究方向やとらえる価値の深さが変わります。発問の良し悪しによって,授業が大きく左右されるので,発問の吟味や精選は重要です。発問の組み立て方や留意点について紹介します。
ア 中心資料で価値を追究・把握させるために,もっともねらいの核心にふれ,ねらいに迫る発問を中心発問とします。中心発問を効果的に行うために,その前後で必要な場面を考えて,基本発問(中心発問を含めて)を2~4程度 に絞ります。
イ 中心資料の中に,答えがそのままの形で述べられているような発問は避けます。特に,中心発問では,子供の多様な考えを引き出したり,葛藤が生まれたりするような発問を考えると話し合いが深まります。
ウ 発問に対する子供の反応を予想します。そして,子供の価値観のずれやどの考えがより高い価値観であるかを分析し,より高い価値に気付かせるような切り返しの補助発問を考えておきます。
② 発問の具体的な例
下記の中で,ア,イの形が一般的に活用されています。
ア 主人公の考え方,感じ方を主人公の立場で考えます。(共感的活用)
(例)「~のとき,○○さんはどんな気持ちだったでしょう。」
「~のとき,○○さんは,どんなひとり言を言ったでしょう。」
イ 主人公の行為や考えを,自分から見てどう思うか考えます。(批判的活用)
(例)「○○さんのしたことをどう思いますか。なぜそう思うのですか。」
「○○さんはどうすればよかったのですか。」
ウ 主人公の行為を手本や範例として受け止めます。(範例的活用)
(例)「○○さんのどんなところが立派だと思いますか。」
「○○さんが~したのはどんな気持ちからだと思いますか。」
エ 資料から得た感動を大切にします。(感動的活用)
(例)「この話を読んで,いちばん心を動かされたのはどこですか。」
「~しているところがどうして心をうつのですか。」
オ 価値観のずれを問い返したり,考えを揺さぶったりします。(補助発問)
(例)「○○さんの~という意見についてどう思いますか。」
「なぜ,~と思ったのですか。」
「~と言ったけれど,少しぐらいは大丈夫じゃないかな。」